押切蓮介先生が描く女の子は可愛い。頭のネジが1本飛んでたり、不感症的なクール少女だったり。妙にクセがあるんですが、それが妙に可愛い。「ハイスコアガール」1巻が発売されました。率直な感想を言います!この漫画は最高だ!
僕、子供の頃に日曜アニメの「ちびまるこちゃん」とか「サザエさん」を家族で視聴してると、親が「懐かしい」「こんなのあったねぇ」とか言うんですよ。
※ハイスコアガール全話などスクエニ系漫画は「マンガUP!」で無料で読める。
ノスタルジックな気持ちになる!
同世代だから分かるシンパシーみたいな。当時は何を言ってるのか分からないし、どういう心境で言ったのか理解できませんでした。でも「ハイスコアガール」を読めば納得。ああ、懐かしい!こんなのあったねぇ!とノスタルジックに浸れる。
ああ、こんなのあったねぇ
初代「ストリートファイターⅡ」の待ちガイル戦法。
ゲーセンの対人戦で禁則事項プレイといえば「ストⅡ」の待ちガイル戦法、「サムライスピリッツ」のシャルロットのジャンプ強斬りですよね!
なんて懐かしいんだ!小学生の頃、少ないお小遣い握りしめ駄菓子屋に通ってはせっせとゲームをしたあの頃。「隣町の○○店はストⅡ50円で2プレイ出来るってよ」「マジかよ!」「行こうぜ!」…全力でチャリ漕いださ。ああ、俺もこんな小学生時代を送ったと思わずうんうんと頷く懐かしさがある。
時は1991年。
カンチセックスしよ!とラブストーリーは突然始まるし、「どんなにコンニャクで」「最後にメンチカツ」と替え歌が流行り、ダウンタウンのゴッツが開始され、孫悟空がスーパーサイヤ人になり、クソまずいドラゴンボールのスナック菓子をメンコ欲しさに買いまくり、カードダスは全コンプ、FF4が発売したあの年である。「ストリートファイターⅡ」が大ブレイクした1991年。
私もやはり駄菓子屋で「ストⅡ」に明け暮れていた。ストⅡしたあと、やばい30円しか残ってない、クジ引こう、やった200円当たった、これで勝つる!後2時間粘れる。そんな当時の思い出が蘇る。
私は、「ハイスコアガール」の主人公・矢口ハルオの2つ下なんですけど、通った道は同じようで彼の青春が自分の事のようにビビッとくる。ああ、俺が小学生時代の生き様がここに描かれている、と。
推切先生といえば怪奇もの印象が強いですけど「ピコピコ少年(AA)」によろしくゲーマーでもある。「ハイスコアガール」はゲームネタをエッセイ形式ではなく、漫画の主軸に置きつつラブコメにしてしまったというものである。これが僕の心の琴線を鷲掴みにしまくる。
勉強ダメ、運動ダメこれといって取り柄なんて何にもない矢口ハルオ。そんな彼が唯一人から秀でると言えるのが「ストリートファイターⅡ」なのです。
これだけは負けないという自信があったにも関わらず、ある日フルボッコにされてしまう。「豪指(自称)」と呼ばれ対戦には自信があったのに、ハルオ以上の強者。俺より強い奴に会ってしまった。一体どんな奴なんだ…。
対戦相手
大野晶、成績優秀でクラスでも慕われ美人でお金持ちのお嬢様。
ハルオは激怒する。およそゲーセンとは似合わない少女。一体何を間違ってこの世界に降り立ったんだ、ここは俺の聖域だ、憩いの場をグチャグチャに乱すのは許せん、と。
そして、待ちガイル戦法、投げハメという「ストⅡ」の禁じ手を使っでも勝とうとし、リアルファイト(というか一方的に殴られる)になってしまう。当時はこの戦法は本当にリアルファイトになってしまう事もあったわけですが。大野さんも当然ブチ切れてしまった。
リアルファイトへ
こうして矢口ハルオと大野晶の奇妙な関係が始まる。
ハルオが行くゲーセンや駄菓子屋で大野さんと遭遇するようになり、時に一緒にゲームをやったり、ゲーセン揉め事を起こしたり、また喧嘩したり(殴られたり)、遠くのゲーセンへ自転車走らせたり…。ウザイと思いつつも、同じゲームを愛する者の仲間で同志のような奇妙な関係になっていくのです。そんな青春。
ゲーセンに一輪の花ってのがいいですね。
昔から人は言った。ゲレンデの女の子は3割増しに見える。
昔からヲタは言った。ゲーセンの女の子は3割増しに見える。
大野さんは一切喋らないんですけど、一緒にゲームをするうちに大野さんがどういう人でどういう理由でゲーセンに通うのかなど段々と理解し、妙な仲間意識やゲームを愛する同志のような関係になっていく。
一言も喋らない大野さんが、どういう感情の変化が起きてるのかってのを分かりやすく上手く描く。特に家の御稽古のモチベーションを上げるエピソードは胸熱。
大野さん
もうね、大野さんが可愛すぎるに尽きるんですよ。
拗ねたり怒ったり、食べ物で機嫌良くなったり、怖いもの震えたり…一挙一動が本当に可愛い。最初はなんか変な女って印象だったのに、話が進むにつれていちいち僕の心の琴線に触れるようになっていく。ハルオにしか懐いてない様子もグッときます。
基本当時のゲームを軸にしたギャグ漫画。でも確かにあった青春。1巻は小学生編で2巻から中学生編になるようなので、めちゃんこ続きが楽しみですね。超お勧め!1巻の後半からは怒涛の展開となり、マジで泣いてしまった。断っとくけど、ネタバレ全開なんで、ぜひ「ハイスコアガール」読後にどうぞ。
強者ゲーマー(弱キックだけでベガを倒す腕前)だった大野さんの様子がおかしい。溜息をつきながらストⅡで負けていた。遊園地でデートまがいのことをしても、今までと大野さんの様子が違う。わざとクラスメイトと逸れて2人きりになった節もある。そして突然知らされる言葉…。
「ねェねェ聞いたー?今日、大野さん来てないじゃん?」
「親の都合で転校するみたいよ」
なんで自分はこんなショックを受けてるのかと驚くハルオ。大野さんは遊園地でハルオと思い出作りしていたのか。ゲーセンに来るな憎くて忌々しいとすら思っていたのに、いつからかゲーセンに入ると大野さんの姿を探していた。ハルオの中で大野さんの存在がいつの間にか大きくなってた。
今日の夕方ロスに立つ。お別れ会でも冷たい言葉を投げかけてしまった。普段の大野さんなら真っ先にぶん殴るのに、何もせず無表情で見つめるだけ。直ぐに手を出す大野さんが動かない!
お別れ会で
この辺の描き方も本当に凄い。物言わぬ大野さんは行動と表情で語られるのですが、いつもなら有無を言わず速攻で鉄拳制裁するのに殴りにいかなかった。どれほどショックを受けたんだろうか。この時のどこか者悲しそうに真っ直ぐ見つめる目力が半端ない。つねに半分近く瞼を閉じて眠そうな感じの大野さんの瞳が全開に。
お別れ会の後に1人でストⅡをプレイしていたら誰かが語りかける。
お前の気持ちはそれだけか!?
ガイルだった…。
「待ちガイル戦法」それは禁じ手。
最初に出会った時は汚くも美しくないやり方で大野さんに勝とうとした。男らしくないと言われてもかまわない、「ストⅡ」で勝利する事こそハルオの全てだったから。だから手段を選ばす「待ちガイル戦法」を取った。勝つために。
ガイルは言う「あの子との戦いはまだ終わっていない」。
1話では結局リアルファイトに突入してしまい、大野さんとの「ストⅡ」の対戦結果は有耶無耶なってしまった。まだ戦いは終わっていない!どんな汚い手だろうが勝つ、だから「だから待ちガイル戦法」を取ったハルオ。そんな彼は立ち上がり空港へ向かう。
真っ直ぐひた走る。ストレートに気持ちをぶつける。ハルオは「待ちガイル戦法」を止めたのである。スマートの戦法とはいえないけど、気持ちの入ったいい戦い方だった。
もうね、空港でのやり取りが胸熱すぎるんですよ。
今まで一言も喋った事がなかった大野さんが最後の最後に泣き声を発した時に僕は泣いた。すごく感動したんです。ジーンと響いたんです。始めて声を出したのが別れ際の泣き声のインパクトは絶大すぎました。大野さんの"はじめての声"も感動ものですけど、最上の感動は別れ際の顔。
別れ際
"はじめての笑顔"である。
大野さんは一言も喋らない、故に行動と表情で描かれる。分かりやすい表情だった。今まで嬉しそうな表情ってのは何度もあったけど、ちゃんと笑ったのはこれが最初で最後。
作中唯一の笑顔を見せたんですよ。大泣きしながら最後に笑って別れた2人。もう心底感動したっつーの。どう表現すればいいんだろ、この胸に熱いものがこみ上がる感動っぷりは。
本当に懐かしさがある。1991年っていえば小田和正がソロで大ブレークしたのが真っ先に思い浮かぶ。当時のゲームを軸に青春を描いた「ハイスコアガール」の素晴らしさ…
言葉にできない
※スクエニ系漫画は「マンガUP!」で無料で読める。
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