『航宙軍士官、冒険者になる』(たくま朋正、伊藤暖彦、himesuz)が面白い。
遥か未来――人類の天敵・バグスと戦う宙兵「アラン・コリント」は、謎の攻撃により未知の惑星へと降下することに…! しかしそこは、原生の人類と剣と魔法が存在する、ファンタジー世界だった!?「小説家になろう」にて彗星のごとく現れた、超大型作品のコミカライズ第1巻! 本作ではファンタジー世界とSF世界を組み合わせた綿密な設定により、これまでにない重厚なストーリーが展開される。そんな重厚なストーリーを、「ロードス島戦記」や「コードギアス 漆黒の蓮夜」などのコミックを執筆した「たくま朋正」が描く!!
ついに原作を追い越してしまった。
まさかエタった作品がコミカライズで続きが読めるとはビックリですね。
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なろうでエタった作品
『航宙軍士官、冒険者になる』は「小説家になろう」で発表されてた作品ですが、WEBでエタり書籍化された小説も途中で止まったまんまになってました。
もう続きは読めないのか…と思ってたら、まさかのコミカライズ化でついに原作を追い越してしまい漫画で続きが読めるという大変珍しい状態になったわけです。
SF×ファンタジー
2話
主人公のアラン・コリントは銀河航宙軍宙兵隊の士官でしたが、事故が起きて他の乗組員が全員死亡し、航宙艦イーリスの艦長に就任。そして未知の惑星(アレス)に脱出する。そこは中世ヨーロッパ風の文明で魔法などがあるファンタジー世界でした。
そこでクレリアというスターヴェーク王国の王女を救出することになるます。彼女はクーデターで国を追われてました。四肢を失ってた彼女も高度な宇宙文明で治療可能。
「高度文明の銀河航宙軍(SF)×魔法や魔物がいる中世ヨーロッパ風の世界(ファンタジー)」という、面白い組み合わせです。アランは不時着した惑星でクレリアと知り合いタイトル通り「航宙軍士官、冒険者になる」作品です。
よくある「なろう系」って、現代人が異世界にに転生・転移するのがオーソドックスです。しかし、今作は宇宙船の兵士が、ファンタジー要素ある異世界っぽい惑星で冒険して魔法などに巡り合うってのが面白いところ。
絶妙の勘違いがツボ
最初は言葉が違うので意思疎通できず身振り手振りでやり取りする。これでアランを誤解するクレリアが絶妙にツボです。
なんだ?この器、極薄の仕上げになっていてまるで持っていないようだ。これほどの品一体どれほどの金貨を出せば手に入れられるのだ?(3話)
この惑星では苗字があるのは貴族だけなので、「アラン・コリント」と名乗れば貴族と勘違いし、その後も絶妙な解釈違いがおかしくも楽しい。
意思疎通できるようになっても、宇宙から来たなんて荒唐無稽な話は絶対信じないだろうから、他の大陸からやって来て難破したって説明するので、「アランの国では~」って微妙なボタンの掛け違いが面白要素。
あと絶妙に恋する乙女チッな反応してくのがニヤリング。
設定がしっかりしてる
言葉を覚えようとしているのだろうか?確かに身振り手振りだけでは不憫すぎる(4話)
『航宙軍士官、冒険者になる』は設定・世界観が細かく作り込まれてること。私はやや設定中なところもありますので、見事にディティールまで作り込まれてて素直に脱帽です。
最初は言語が通じないのをアランは途中で喋れるようになる。それはナノマシンのナノムってお助けがあるからで、魔法って現象も科学っぽく説明したりと設定そのものが物語を楽しむアクセントになってる。
また、アランの宇宙に関する設定も、クレリアのスターヴェーク王国の謀反の話も重厚になってる。それ単体でも絶対面白い話なのに、うまく「宇宙&科学」と「濃厚な中世っぽい世界観」が融合してる。
ワクワクできる
『航宙軍士官、冒険者になる』最大のキモは単純にワクワクできることに尽きる。「うおおおお!続きどうなんだー!」って、どう進んでいくのかどう完結していくのか純粋に楽しみな点です。
イーリス。俺はことに決めた。この惑星の人類は強制的に科学を学んでもらう(21話)
うおおおおおお!!
ストーリーが加速する。最初は航宙軍士官が冒険者になる話でしたが、それが宇宙の帝国航宙軍が戦ってるバグスって知的生命体(化物)がこの惑星アレスに1200年以内に88%にやってくるというのです。
超科学的に進んだ帝国航宙軍が死闘する相手に、中世ヨーロッパレベルの文明では太刀打ちできない。そこでアランは「この惑星を接収する」事を決める。そしてこの惑星の人々に強制的に科学を学ばせて、未来に現れるバグスと戦える文明に引き上げることを決める。
冒険者やったり魔道具作ったり人助けしてるのも面白かったのに、明確に目標設定を定めてからは「これ続きどうなんだ?」「どう展開してくんだ?」「どう着地するんだ?」ってドキドキワクワクがやめられない止まらないカルビーかっぱえびせん状態ですよ。
覇を唱える
…これは言ってなかったが、俺は国を作ってこの大陸に覇を唱えるつもりだ(21話)
うおおおおおお!!
航宙軍というのは説明のしようがないので、クレリアには新たに国を興して大陸に覇を唱えると宣言。実際、帝国航宙軍が接収する惑星として、1200年以来に現れるバグスと戦えるようにするためには、科学を発展させる必要があるので、国を統一する必要がありますしおすし。
基本方針はこうだ。
と壮大な目的と逆説的にどうしていくかの方向が決まってから、原作もめちゃくちゃ面白くなっていき、「続きどうなんだ!」状態だったわけです。で、貴族になるところでエタり早4年。まさかのコミカライズで読みたかった続きが展開される!
ニヨニヨできる要素満載
あと、設定・世界観が細かく作られてる、ストーリーが面白い…って他にも長所があります。めがっさニヨニヨできるラブコメ模様が展開されてる点です(アランは鈍感ラブコメ主人公レベル)。
ア、アランは私でも構わないの?(21話)
はい!可愛い!
クレリアの元スターヴェーク王国の惨敗兵が約2000人おり、彼らは新しく興す国の住人になって欲しいし、覇を唱えるのでも元スターヴェーク王国取り戻したらクレリアにその国は上げるとか言いつつ、2人で共同統治するって述べたアランである。
アランは軽いつもりで言ったに過ぎないが、アレスではそれは実質プロポーズに等しく…。クレリアはアランが王でクレリアが王妃で国を作り大陸を統一するってすっかり勘違いするのであった。その後は恋する乙女としてスーパープレイを連発させます。頬が緩むぜ!
おっと!クレリアだけでなく、英雄女傑のクローン兵である帝国航宙軍セリーナ&シャロンの双子ともきっちり鈍感主人公ムーブ(説明不足)でフラグを立てるぜ。
セリーナ&シャロン
はい!可愛い!
アランの最終目標は次世代では達成できない。未来の為の礎になる決意を固め、セリーナ&シャロンの子供にまで託す必要があるわけで。その説明が勘違いを生むわけです。
仮に私に子供ができたら帝国軍に徴用するつもりだ。親に人生を決められて気の毒だと思うがな…強制はできないがセリーナとシャロンの子供にもお願いしたい。私と君たちの子供は、きっと帝国軍を引っ張っていく人材になるに違いない…(21話)
片手落ちの説明で、セリーナ&シャロンはすっかりアランと子作りして未来へ…って勘違いするのであった。
見事なまでに鈍感ラブコメ主人公ムーブして乙女たちとのフラグ満了期を迎える展開も最高である。
誰も知らない物語
んで、ドラゴン退治までやってのけ貴族になるってところで「なろう」はエタ。商業ラノベもストップ。なぜかコミカライズの漫画は続いてて…ついに原作追い越して見たかった続きが展開される稀有な現象が起こったのです。
もはや伊藤暖彥先生はラノベ・小説家でなく漫画原作者やな。
んで、見たかった続きはドキワク感が100点満点でした。
スターヴェーク王国復興の暁には、女王クリア・スターヴァインの移住になる城だ(46話)
我が人類銀河帝国の科学は世界一ィィ—ッ!
できんことはないイイィーッ!!
貴族になって領地を貰う。その領地は不毛の地「魔の大樹海」(科学的には燃料などが豊富)であり、誰もが人類が暮らせる場所でないという常識ある中で、王都よりもすごく作られた街(拠点)に驚愕するの図である。
そこはロボットが闊歩してる(この世界風にゴーレムと説明)、夜でも明るく、王都以上の高い建造物がわんさかある街であった。未開の地に凄まじい本拠地が出来てたのです。
はじまるんだよ!
誰も見た事が無い新時代へ(原作の先)!
こらから本格的に帝国航宙軍の科学力を持って、国盗りや大陸統一がはじまるのか…って期待とどう展開してくかってのを想像するだけで、おらワクワクしてきたぞ!
そらはもう古くは戦国時代にタイムスリップした自衛隊の『戦国自衛隊』を筆頭に、太平洋戦争にタイムスリップした平成自衛隊軍艦の『ジパング』、自衛隊が異世界に移転した『ゲート』など…。
それは進んだ科学・兵力による蹂躙である。今作は、現代社会よりも遥かに進んだ帝国航宙軍っていう、広範囲の人類圏の科学と敵対してた化物知的生命体バグスって大宇宙クラスの視点から、中世ヨーロッパ的な文明ですからね。
少数とはいえ、どう国盗りするのか?覇を唱えて大陸統一するのか?って観点でめちゃくちゃ面白くなる前段階あるわけで。純粋に未発表の物語がどう進むのかってだけでご飯3杯いけますね。
ラブコメ模様がすごい!
こ…婚姻ってなんのこと?共同統治となんの関係がー(47話)
ジェットスクリーム(ノ∀`)アチャー
これまで絶妙なバランスで天然ジゴロを発揮してきたアランであるが、自分がこれまでフラグ立てまくったアレコレを知ってしまう。クレリアを傷つけたと知ってしまう。
いわゆる伝家の宝刀「え?なんだって?」を素で炸裂するも、宇宙規模のサポートある科学力で、フラグ立てまくって勘違いさせた事実を知ってしまうわけです(効かれ無かったから教えなかった)。
アレスにおいて王国の男女共同統治とは婚姻関係を結ぶことと同義です。つまり、艦長とクレリアは夫婦になることを意味します(47話)
鈍感ハーレムラブコメ真実を知ってしまうである!
これまで「山手線」並にグルグル回るしかなかったラブコメ模様が劇的に変化します。鈍感ハーレム主人公ムーブの全方天然フラグ立てるジゴロではいられなくなってしまった。
これをコミカライズのみの先の展開と同時進行でやってのけたのはマジで目が離せなくなってきた。もう後戻りできなところまで行くのをラブコメ的に「物語が進む」である。本質の物語も進んで、ある種サービスでなかったラブコメ模様まで「物語が進む」を並行する。
原作の先、漫画版でしか読めない続き…超面白いです!
二転三転して吸引力高めるメインストーリーもラブコメ模様も、エタした先に最上級の旨味があったわけです。これからどうなるか含めて期待値爆上げ!なろう未読の方にも原作知ってる方にも断言できる。超オススメの漫画(でしか続き読めまい)です。
原作エタったまんま説!?
おいおい。
まさかそんな事はねぇだろ…ん?あれ?
先月から未踏領域に物語が進みましたが、8巻以降も状況が許す限り完結まで描く予定です。
今後ともご声援のほどお願い致します。 pic.twitter.com/2cj9Cr3OSr— たくま朋正@航宙軍7巻2月発売予定 (@yunckle19722000) January 8, 2024
ひょっとしてもう原作者はドロップアウトして、既にコミカライズのたくま先生が作ってる可能性まで微粒子レベルで存在するのか?内情知らんし、途中まで最高に楽しませてくれただけでに、完結まで読めるならありがたい限りですが…。なにがどうなってるのか分からんでござる。
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コメント
マジで奇跡が起きたと某所で叫んだ!!!w
スターオーシャンみたいで好き
Xのコメントからすると、原作の続きはたくま先生が描いてるんですかね?
「先月から未踏領域に物語が進みましたが、8巻以降も状況が許す限り完結まで描く予定です」
たくま先生が描いてる⇒たくま先生がストーリーを考えている
自分が読んでるコミカライズでも原作止まっててコミカライズが追いつきそうってのが結構あるんだよな
最近はチート付与みたいなエクストリーム原作改変漫画まであるし、作画担当がその先も描けるのが増えるといいね
dsmxix