え?魔法ってこんなに強いの?
『ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり』7巻を読んで魔法ってこんなに強かったのかとビビったね。
炎龍編、ダークエルフを苦しめる炎龍との戦いが収録。原作未読で漫画版しか読んでないんですけど、『ゲート』の面白さは「自衛隊VS中世ファンタジー」の戦いというか蹂躙である。そこに主軸にした政治的駆け引きや蠢く陰謀など読ませてくれます。
初期に登場した炎龍を倒すというクエスト。難民キャンプへ移動中に襲撃してきたけど歩兵に片腕吹っ飛ばされたドラゴンちゃん。
まあ、どう考えても勝ち目がないね(炎龍が)。普通に自衛隊がミサイルどーんで終了してしまうイージークエストなんですけど、それではドラマもストーリーもへったくれもない。
VS火龍
そんなわけで、炎龍といい感じに戦えるぐらいの装備と人数にする為の理由付け。
これがなかなかどうして。遠く離れた場所で、自衛隊に被害が出てるわけでもないので動かせない。そこを少ない登場人物でドラマチックに動機付けさせて動かすのが見所。また主人公・伊丹の意図しない所で政治的に大きく動くのも面白い。所詮は1人の自衛官で伝説の勇者ではない。
主人公・伊丹
「与えられた役割を果たせ」「そうすれば仲間を死なせずに済む」と頑張るんですけど、今回は何もしてないよね。…と思いきや生存する行動は取っていたように思う。
ドラゴン戦の仕様武器LAMって、以前にドラゴンの片腕ぶっ放したのに、ちょこっとダメージ与えるぐらい。やはり訓練をしてないと近代兵器は使いこなせないのか。その辺りのリアルさ。そんで魔法が大活躍。思わず魔法ってこんなに強かったのかとビビってしまう。
個人的に注目したいのは、ダークエルフのモブキャラ達がバンバン惨殺される無常さでしょう。いくらモブキャラと言えどもね可哀相になるレベルで次々と死んでいく。逆に生き残る者。まあ物語のお約束で生還する者は主要キャラなんだけど。戦争、災害につきものの「生還する者」と「生き残れない者」を明確に描いていると思う。
生き残る者
漫画ではないんですけど『生き残る判断 生き残れない行動』(アマンダ・リプリー)という被災者の体験をインタビューし行動原理や脳内の生理現象を考察した名作がある。
それによると、災害に遭遇した際の人間というのは「否認、思考、決定的瞬間」の3段階になるらしい。ざっくりと説明すると、否認は現状を受け入れない状態。思考は現実を目の当たりにしパニックになる。決定的瞬間は混乱している状態では身体で覚えている事しか出来ない。それらを回避するには日頃の訓練が大事だとか。
それを踏まえるとダークエルフのモブ達は生き残れない行動を取り、伊丹は生き残る判断をしていたと思う。まあ運もあるけど。その辺りの現実感というか緻密さが『ゲート』の最大の魅力。
また、『ゲート』の面白さといえば自衛隊の強さでしょう。
7巻でもドラゴン2匹を圧倒的戦力で屠るのであった。
圧倒的じゃないか自衛隊は
自衛隊VS怪獣というのは、ゴジラみたいに自衛隊が役に立たないとして描かれる事が多いからね。ウルトラマンの地球防衛軍でもそうだけど、怪獣に対して為す術もない人類の象徴のメタファーで使われる事が多い。それが『ゲート』では真逆。圧倒的じゃないか!我が軍は!と言いたくなるレベルの戦力です。スカッとするね。
何より、今回の炎龍編で分かった事があります!
分かったこと
ババァ!俺だ!結婚してくれ!
ようやく気付いたロゥリィの可愛さ。見た目は少女!服装はフリフリのゴスロリ!獲物は巨大な斧をブンブン振りまわす!あんま設定とかよく理解してないんですが神の使徒で神官らしい。ドSな気質。で、この成りで実年齢が900歳を超えているのだから合法にも程がある。
ちょっと狙いすぎな感じで最初は好みじゃないなとか思ってました。だって見るからに邪気眼とか言いだしそうだったんだもん。ところが、7巻は超可愛いの。思わず抱きしめたくなるレベルで可愛いの。自衛隊がドラゴンを爆破しましたが、ロゥリィは私のハートを爆破しました。
私も今日から名乗りを変えようと思いました。ヤマダ・ロゥです。愛の使徒です!小さいは可愛い。可愛いは正義だ。ロリじゃないよ。ロゥなのだ!普段は殺伐とした戦闘を繰り広げるシリアスな作品がたまに見せるギャルゲのノリは素晴らしいですね。
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