『恋愛ラボ』(宮原るり)15巻読了。
これが最終巻です。13年間の連載本当にお疲れ様でした。
まったく最高のラブコメだったわい!
リコ、マキ、スズ、エノ、サヨは名門女子中学、藤女の生徒会メンバー。それぞれが前途多難な初めての恋に右往左往しながらも互いの友情を深め合ってきた。季節はバレンタイン、彼女たちの恋の行方は…!? LOVEの5乗=大大大ハッピーエンド…!? 宮原るりが贈る大人気コミック、シリーズ完結!
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『恋愛ラボ』15巻
決戦はバレンタイン
チョコ作りですけど…みんなは何を作るかは決めしたよね?
『恋愛ラボ』の最終決戦はバレンタインです。
バレンタインといえばラブコメじゃド定番でもありド山場でもあるからね。
恋する乙女達が胸の内に秘めていた想いをチョコレートに託して好きな男子に求愛アタックをかける「天下分け目の関ヶ原」です。
片思いだと思ってるワイルドな君も、告白する勇気が出せない生徒会長も、告白して彼女になってがっつり鎖をつけたいツンデレガールも、引っ込み思案な後輩も、バレンタインの甘ったるい空気のおかげで正直になれる!開き直れる!勇気が出せる!乙女の最終決戦なり。
『恋愛ラボ』ヒロインズも1年1度のチャンス♪誰もが浮かれてカーニバル♪と言わんばかりの意気込みでハートを射止める気満々です。バレンタイン前に対鈍感男子最終兵器「本命チョコ」を愛情を込めて作るのでした。
明日は特別スペシャルデー
2月13日
おっと!リコ選手とエノ選手、料理センスが壊滅的だったー!
レシピ通りに作っても「味が不味い」「腕が拙い」「マズイ事態」からマキに教えてもらえて一度はちゃんと作れたのにごらんの有様だよ。なお、悲惨な顔芸は面白さと可愛さが合わさって非常に味わい深いです。チョコの味は壊滅的だけどな。
結局、マキの手ほどきによってリコもエノも手作りチョコレートを完成させます。
なんのかんのでチョコ作りでキャキャウフフしてる様子が尊い。
そもそもこの漫画ってラブコメなんですけど、初期は男が登場しないソフト百合の雰囲気が漂うおバカな学園日常漫画でしたからね。あの頃のノリも好きだった自分は、バレンタインに向けて生徒会メンバーがおバカ全開でワイワイやってる姿がグッときました。
そんでもって恋愛模様もいよいよ決着なり。
マキ、リコ、エノ、サヨ、スズの5人のバレンタインはここがラブコメの山場ってニヤリング要素がたっぱり詰まっていました。みんな良いバレンタインアタックでした。個人的には、やっぱリコ&マキが最高でしたね。
リコのバレンタイン
個人的に宮原るり先生って世界で一番女の子の照れた赤面を描くのがうまいんですよね(特にカラー)。美麗すぎる。近年は顔芸にも磨きがかかってますけど、やっぱいちばんは赤面顔です!
スズ、エノの目に涙を溜めながらとびっきりの赤面を叩き出してチョコを渡した流れだけにリコのバレンタインイベントの期待値が跳ね上がっていたわけですよ。自分はリコが一番のお気に入りだったし。
期待値MAX状態。
リコよ、さあ思いっきり照れながらチョコを渡すがいい!
だからこれはリコに負けないくらい気持ち入ってんだよ!
いや!お前が照れながら渡すんかい!
ダウンタウンの「お前が歌うんかい!」もビックリなツッコミを入れてしまいそうになってしまったでござる。くっ、なんてこった。リコの自己ベストの赤面を期待してたら、ナギが恥ずかしそうにチョコくれました。
まあね。リコは文化祭で告っていますし、当時記録された赤面は作中最高ではありましたよ。ありましたけど、その記録を超えて欲しかった。リコの涙目赤面を期待してただけにちょっとずっこけてしまった。
だ・け・ど!
…これで両想いだ
その涙目赤面は、今までよりも高く、美しい表情を描いた。
静かにしろい!この可愛さが俺を蘇らせる…何度でもよ。
で、出たー!宮原るり先生の十八番!涙目赤面だー!その破壊力はヤバイ。具体的にその場でゴロゴロ転げ回ってしまうぐらいヤバイ。欲をいえば4コマ内でなく、扉絵的な大コマで見たかったけど。それでも神の領域にまで達した可愛さを計測です。
「恥ずかし赤面」に定評があったが、あえてここ一番で「嬉し赤面」をもってくるとはね。可愛すぎました。感動もひとしおです。
マキのバレンタイン
そこいくとマキの展開はビックリでしたね。
約束された勝利のカップリング…いわば消化試合って印象もあったバレンタイン編でマキだけうまくいきませんでした。その泣き顔があまりにも切ない。
15巻で最もドラマチックなラブのコメりっぷりを見せていたのはマキとヤンでした。
カップリング成立は確実かと思いきや、一波乱を巻き起こす。男側視点からのタイトル回収といい、これぞ『恋愛ラボ』という読み応えあるものでした。
思い返せば本格的にラブコメになる前は、リコとマキのすれ違いからの仲直りがある意味最終回だったじゃないですか(アニメの最終回でもある)。この時の流れとヤンとのラブコメの流れがデジャブるんですよね。
マキこそこの漫画の正ヒロインだな
コミック4巻
お前と…っ、ずっと親友でいたい…。あたし…また信じてもらえるように頑張るから。勝手だけどでも…
もともと恋愛研究を立ち上げたのはリコが恋愛の達人というウソからはじまったわけです。そのウソがバレてしまってからの仲直りがある意味『恋愛ラボ』第一部完でもありました。「傷つけて本当にごめんなさい」である。
リコとマキはお互いのことを大好きで大事に想い合ってたのに、ちょっとしたボタンの掛け違いですれ違って気まずくなってしまったわけです。そのわだかまりが解けての仲直り。本当の意味で親友になったエピソードは屈指の名シーンでしょう。
ヤンとの仲直りが、これを彷彿させるんですよね。
マキは2回ヘコんで2回仲直り。
という名の2度も謝られ許しを請われて2度愛の告白される!
(どっちも痛い暴走が原因とはいえ)
ぐうの音も出ない正ヒロインです。
すぐに許してもらえるとは思ってない。幻滅されたとしてしても仕方ない。だから、一年かけて、また好きになったもらえる努力をする!
ぶっちゃけリコの謝りと返しとヤンの謝りと返しは、ディテールは違うもののまったく同じだよね。4巻リコと15巻ヤンのセリフを入れ替えても成立してる。謝罪からの時間をかけて信用される…ってのをすぐに許すマキさんマジ天使!大天使マキエル!
マキの歴代最高値を叩き出した赤面
『僕なんか』なんて二度と言わないで
言ったでしょ?
あなたを好きな人に失礼だって
悶絶。
いやはやさすがは正統派ヒロインよ。
男子の夢の結晶ですよ。
黒髪ロング正統派ヒロインと言えば、12あるゴールド属性の中でもっとも神に近いとされる属性ですからね。
その魅力の前では避けることが出来ずに、読者はただハートを天舞宝輪されて昇天するのみなのです。
最期の最期でとんでもない「嬉し赤面」を見せたものです。
いつにも増して可愛いマキの赤面顔よ。
これはあれですわ。
「勝負顔」ってやつです。勝負顔とは、勝負下着みたいなもので、ヒロインがここぞの大勝負の場面で放つとびっきりの赤面です。
キン肉マンの「フェイスフラッシュ」に勝るとも劣らない!
リコとマキのいつかの話
1巻→15巻
「…これからも」いろんな話をするリコ&マキ。
1巻最初の出会いエピソードでは研究という名の妄想でいろんな話しようってはじまったわけじゃないですか。
「真木」「倉橋さん」から「マキ」「リコ」呼びの親友になって、妄想からマジのガチで実践を得ての2人で色んなこと話そうねーってのは尊い。尊すぎる。
まとめれば、『恋愛ラボ』とは王子様を夢見ていたマキと知ったかだったリコがちゃんと経験則による恋愛話をできるようになった物語だったともいえますね。
今なら妄想と嘘松でなく、マジ話できます!恋愛研究がちゃんとできる!
リコとマキの紆余曲折があった物語だったわけよ。
だから終盤でリコが言ったセリフが素晴らしいんだ。
おだやかだけど…
すべてのはじまり
おだやかだけど退屈な学園
つまんねーんだよっ
ラブもないしっ
『恋愛ラボ』はリコがお嬢様学校の藤女に入学するも、「おだやかすぎる」「ラブなし」なのでつまんねーってのが全てのはじまりでした。冒頭で藤女入ってつまんねーって始発で終点のもっていき方もめちゃくちゃグッとくるものでした。
藤女に入ってほんっとーによかった!
「つまんねー」から「ほんっとーによかった」である。
リコが藤女学校生活を心から楽しめるようになった物語でもあったわけよ。
『ドラゴンボール』のブルマのように毎回髪型が変わるリコが、1巻冒頭と同じ髪型をしているのもええな。見事な「起承転結」でした。まる。
コメント
この作品内で一番可愛いのはナギ(作者による公式設定)だからしょうがないねw
恋愛ラボいい作品だったねえ
最終巻として文句のない終わり方だったなぁ
でもこれで宮原るり先生の作品が全部終わった訳で、新連載かみそララの再開を早急にお願いしたいところ
河合荘のように、その後のお話を掲載予定だと言っておられたので楽しみ
面白かったけど、どう考えても長すぎ・引き延ばしすぎ
(人気の宮原作品はみんなそう)
5年くらい早く終わってほしかった
雑誌掲載時はほぼ毎回雑誌の表紙を描いていた
つまりはそういう事
引き伸ばしは編集部の意向だろうが、でもキレイに収まってよかったわ