『ワンピース』第1001話〝鬼ヶ島怪物決戦〟
「最悪の世代の5人(ルフィ&ゾロ&ロー&キッド&キラー)VSカイドウ&ビッグマム」という構図でのバトルとなった最終決戦。サブタイトル「鬼ヶ島怪物決戦」にピッタリの戦いですね。

今までのワンピにない戦いの構図ですね。



目次
1001話「鬼ヶ島怪物決戦」
カイドウと渡り合う
お前が…!どれ程のモンだってんだよ…!
悲報!カイドウと互角だったはずのゲッコー・モリアさん。カイドウと戦えるやつリストに入ってない…(´・ω・`)。
世間ではカイドウと渡り合った程の海賊と言われてたのに、当のカイドウはアウトオブ眼中だったなんてね。
「わずかだぞ…おれと戦えるやつなど!」と強者の影をルフィに重ねたカイドウであったが、そこにモリアさんの姿は無かった。無かったのだ。悲しいなぁ。
わずかな戦えるやつ
カイドウと戦える僅かな人。
- エドワード・ニューゲート
- 光月おでん
- ゴール・D・ロジャー
- シャンクス
- ロックス・D・ジーベック
シャンクスは頂上戦争時にぶつかった時を指してるのかな(四皇同士なんで頻繁にやりあってるかもしれんが)。ビッグマムが入ってないのはガチでやったことがないからでしょうか。
リンリンいわく「今でも弟のように思ってる」そうだし、カイドウ自身もビッグマム海賊団入国時は全面戦争避けようとしてました。意外と仲良し?
見習い時代に船長だったロックスを入れてるあたり、まっとうな船長と見習いって関係では無さそうですね。尖ってた頃のエースと白ひげみたいな感じだったのかな。


弾く覇気(流桜)が使えなくとも
カイドウには桜流と呼ばれる弾く覇気が使えないとダメージ通りません。前回の感想でキッドたち役荷立つんかいな…と思ったがやりようはあるようだ。
キッドは「圧死」、ローは「体内攻撃」でダメージ通ると。こういうロジックあるとよりバトルにも説得力が増すね。
作中最強である四皇は今までとは格そのものが違う。コミカルにギャグ入れつつもヒシヒシと緊張感が伝わってきます。
嬉しそうなカイドウ
ニィ…
カイドウめちゃくちゃ嬉しそう。
今回のカイドウは終始嬉しそうに笑っていました。2週間前に久里で大敗した後のルフィ成長っぷりに怒るでもなく驚くでもなく嬉しいって感情がくる。キャッキャしてるカイドウに強者の美学を見ましたね。
雷鳴八卦をまとも喰らわないのもめっちゃ嬉しそう(未来予知しても避けきれないのもバトル展開として熱い)。ゾロとキラーの攻撃に「ズキン」となり笑顔。ルフィ&ロー&キッドの怪物っぷりに過去最高の笑顔を見せていました。
『ワンピース』といえば死に際の際に笑うって美学がありますけど、トップの海賊にだけ通じるような強者を見つけて戦っての笑顔にも美学がある。
強者だけに通じる笑顔
ウッキウキなカイドウさん
この辺は「おれと戦えるヤツが世界にいたのかヤベー」的な笑顔というか、『ドラゴンボール』の孫悟空における「オラ、わくわくしてきたぞ」な笑顔というか。
世界の頂上にいる者にはあるのでしょう。そういう「コイツ強い…嬉しいぞ」的な感情が。最近だと、カタクリなんてめっちゃ嬉しそうにルフィと戦ってましたからね。
ビッグマム海賊団ナンバー2のカタクリはルフィ「おれはもう…お前を格下と思わねぇ」と言い放ち息切らしてたのに笑い出した。あれも痺れましたなぁ。
嬉しそうなカタクリ兄さん(893話)
他にも「白ひげVSロジャー」(966話)もキャッキャしながら殺し合いをしてました。地上最強クラスになると、ほう俺と渡り合えるのかと笑うのがバトル漫画の強者の王道で覇道よ。
バキの徳川光成の言葉を借りれば地上最強を目指す上で「ある物は生まれてすぐに、ある者は父親のゲンコツに、ある者はガキ大将の腕力に、ある者は世界チャンピオンの実力に」屈しなかった者の境地。あるいは最強死刑囚の「敗北を知りたい」の心理。
最強が強者に対峙する笑顔にも美学がある。
カイドウの夢の果て
ルフィが「夢=海賊王」の先に「夢の果て」があるように、カイドウにも「夢」と「夢の果て」がある(と思う)。
カイドウの夢も「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」見つけること。あと、ワノ国を海賊国家にして暴力の世界を作ることがある。その先に「夢の果て」がある。それが「完成された死」…死に様である。
「完成された死」
994話
死は人の完成だ…!そうだろ?
カイドウいわく「死は人の完成」だそうな。以前も言いましたけど、趣味「自殺」に至った経緯といい、「見事な死に様」と評したおでん様の影響大でしょう。


少なくともおでん様の「見事な死に様」を実況目撃する前のカイドウは、今のような「死は人の完成」思想にはなってない。小物とは言わないまでも苦しい勝負はしない主義。
20年前とおでん様死後のカイドウを比べると「死」の矜持が変わってる。ロジャー、ニューゲート、おでん様の評価を比べれば一目瞭然でしょう。
おれは〝侍〟が好きだ…。ロジャーも…〝白ひげ〟も…!!うまくやりやがった…!!(994話)
また生きちまった…うまくやったよ。白ひげのジジイは…(795話)
「うまくやった」というのはイコール「見事な死に様」だろう。
20年前、すでに処刑されてたロジャー含めて3人をバカにして評したのとは一線を画す。
ニューゲートやロジャーはたしかにそんな海賊だった。強ぇがどこか甘い奴ら…!お前(おでん様)も同類よ!!(970話)
おでん様もロジャーも白ひげも「好き」と言ってた今とは180度違う。おでん様の「見事な死に様」の影響で、自分もそんな死を望むようになった説。「死は人の完成」…その完成こそカイドウの「夢の果て」。
「海賊国家」も「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」もその手段でしかない。
「あれがおでんの息子とは…(ガッカリ)」(973話)、「気がすんだろう…?(おでんの意志継いだ赤鞘九人男にガッカリ)」(997話)ですよ。
20年前のカイドウの言葉を借りれば「甘い」が際立つ。あ、殺さないんだって。どっちもニヒルな表情でどこか物哀しい。
人の夢と書いて「儚」と読む…何か物悲しい(byアグリアス)?否、人の夢…ならぬカイドウの「夢の果て」と書いて「死は人の完成」と読む…何か喜ばしいである。
まるで怪物じゃねぇかコイツら(超嬉しそう)
キャッキャしてるカイドウの最高のスマイルよ。人造悪魔の実「SMILE」では引き出せないような笑顔よ。まるでロジャー処刑時のような笑顔。夢の果て…が見えたのかもしれんな。知らんけど。
キャッキャしてるのは最強生物故の強者を前にした嬉しさと、夢より先の「夢の果て」を与えてくれるって深層心理と推測。
「敗北を知りたい」ならぬ「最高の死に際を知りたい」ですよ。叶えてくれるのは、カイドウ的に期待はずれだったおでん様の実子でも忠臣でもなく関係ねぇがおでん様が「カイドウを討てる」と予言した「最悪の世代」。
つまり、徳川光成風に言えばこうだ。
素晴らしい。最強生物だ。
ご褒美に「最高の死」をプレゼントしよう。

