『オウルナイト』残念な人達による残念な模様を楽しむ職場コメディ！ラブコメ模様もグッド！

 

『オウルナイト』（高津カリノ）が実に『WORKING!!』っぽくて面白い。ワーキングっぽいって何だって感じですが「狭い箱の職場＋おもしろい従業員＋女の子可愛い＋ラブコメ要素？」かな。

 

二十歳の大学生・宇佐木英知は、意を決して訪れた夜の街で謎のキャッチに捕まった！戸惑いながら連れていかれた先は、不思議なクラブ「オウルナイト」。そこは男性も女性も働く不思議な店で…？

 

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不思議なクラブ「オウルナイト」

 

北海道某市（普通に札幌の「すすきの」って固有名詞出てます。某とは…）にある不思議なクラブ「オウルナイト」が舞台の職場のわちゃわちゃ4コマです。

 

『WORKING!!』好きなら刺さるの間違いないあの感じ（変人のユーモアお仕事＆日常）です。

 

主人公の宇佐木英知はボーイのバイトに勧誘され採用の承諾を取ったら、本性を現す…というか趣味が女装だったのである。

 

女装男子（自分大好き）がニュークラブで働くようになって、変人でちょっと残念な人達ばかりの職場での楽しくもマヌケな日常が堪能できます。

新型ニュークラブ

 

職場の「オウルナイト」はフクロウって意味の「オウル」で、キャストは男女いるニュークラブです。

 

ニュークラブは高級な時間制倶楽部では無く北海道ルールで、いわゆる「キャバクラ」に近いもの。作中では「※フィクションの北海道です」と書かれますが、ガチですすきのはちょっと名称がおかしい。

 

出張や旅行などで北海道行くと困惑する一つが名称の違いでしょう。他の地域の「キャバクラ」はすすきのでは「セクキャバ」を指す。気軽に「キャバクラ行こう」とか言えば道民は困惑するとかしないとか。

 

男女混合でキャバクラに近いシステムですが、カラッとライトな設定ですので、いかがわいさもなく個性的で残念な従業員やお客さんの残念な様子をクスクス笑いながら楽しめます。

個性的（＝残念）なキャラ

 

『オウルナイト』の魅力はなんといっても個性的な登場人物たちでしょう。個性的というか正確には残念な人達（褒めてます）。

 

女装趣味の主人公を筆頭に、整形イケメンで太客にガチ恋してる興常ノエル（唯一の源氏名）、Ｇカップでアホの子の汐恵夢、ド真面目で表情筋死んでる役所人間の日辻詩衣奈、コミュ障で元組長の娘の志々原あい…ととてもどう見ても飲み屋のキャストに向いてないユニークな面々。

 

まあでも、高津カリノ作品といえば「残念さ」がそのまま個性と面白さに直結しますからね。今作のキャラはみんな一癖も二癖もあり、とても残念な人達です。お客さんも残念。まともな人間なんていない。だがそれがいい！

 

そんな残念な奴らの残念な部分を笑って愛でるのが、この作品の醍醐味というか、むしろすべてです。昔からよく言うじゃないですか。「残念な子ほど可愛い」と。

残念＝可愛い

 

残念な人達の残念っぷりをユーモアたっぷりに描いており、笑いを誘うこと多数。可愛いと思うこと無数。「残念＝面白い＝可愛い」を体現してくれる。

 

男女問わず、みんなその残念っぷりが面白く可愛らしいのですが、特にお気に入りは志々原あい。見た目は山田っぽく、ぽぷらちゃんのようなマスコットであり、伊波さんのようなヒロイン（多分）。

 

コミュ障でお客さんは猫任せでちゃんと仕事できない。オチ担当でもある。残念なキャラしかいない中でも特に残念さが光ります。しかし、この残念っぷりが笑いを誘うだけでなく、可愛さの味付けになるのが高津カリノマジックよ。

 

性格、設定、言動がすべて残念で可愛いらしい。オチ担当で、すぐに涙目になる点が、非常にポイント高いです。あと個人的にはラブコメ展開にも期待持てる。

ラブコメとしても期待

ラブコメ模様も良い感じです。カップリングがほぼ決まってて安心・安定でニヨニヨできます。ある意味、オムニバスの恋愛劇場ともなってる。

 

 

4組のカップリングがあるかなと。

 

「興常ノエル×綿貫中」以外は恋心があるんだかないんだか分からない進展度ながらフラグは間違いなく立ってる（ような気がする）。それぞれキャスト＆お客さんがクロスして関係してたり絡むのもキャラを膨らませて楽しいです。

 

で、個人的にマイフェイバリットキャラでギャグ要員としてもヒロインとしも期待大な志々原あいちゃん。女装趣味の主人公と間違いなくフラグは立ってます。

 

 

あらあらまあまあ（ニヤニヤしながら）。

 

1巻の段階で（というか1～2話で既に）、フラグはビンビンに立っているし、これは恋する乙女になるのも時間の問題だな…と見せかけて、英知の残念っぷりとあいちゃんの残念っぷりが良い意味でも全開でこそばゆいラブがコメる展開にはなりません。

 

まあ、そうは言ってもあいちゃんは英知のおかげで接客できるようになったり、デート（と呼べるものかはさておき）をしたり、ケンカして仲直りしたりしてイベントを消化するにつれて、仲は進展してる（ような気がする）。

 

 

英知がドギマギすることを言ってあいちゃんは動揺して…となるはずが、主人公も残念の塊なので恋愛フラグを自らボキボキへし折っていきます。肝心のあいちゃんも恋する乙女覚醒には全然至る気配が無い。

 

3巻では英知が告白する…と言えば甘美な響きですが、そんな甘酸っぱいものでは断じてないイベントが勃発します。自分が可愛くなるからと、「付き合おう」→「ヤダ」という漫才のような掛け合いでフラれる？形になります。

 

 

ラブがコメるとは違う。完全なコメディだった。残念なやり取りで残念な結果だった。しかし、それでも、周りから見ればほのかにラヴ臭は感じられるという絶妙なものでもありました。じっくり見守りたいお似合いの2人というか。

 

英知は己の恋心があるが気付いてないというところかなあ。あいちゃんの胸の内はまだ見えないけど、まんざらでもないはず（おそらく）。

 

『WORKING!!』の伊波さんは3巻でデレたのに比べると恋愛進捗はじっくりかも。

 

まあ、メイン2人を補って有り余るほどのラブコメ展開を発揮したのが「興常ノエル×綿貫中」ですがね。破壊力抜群だった。やはりこの漫画はカップリング別の恋愛オムニバスとして秀逸だ。

 

そんなわけで、ゆかいな面子がおかしな職場で繰り広げられるお仕事＆日常がクスリと笑える4コマです。『WORKING!!』好きなら間違いなく刺さる。オムニバス恋愛ものとしても楽しめます。おすすめ！

 

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