「アオハライド」青臭く不器用な青春が心の琴線に触れてくる！

 

「ストロボエッジ」の咲坂伊緒先生が次に描いた作品「アオハライド」をようやく読んだ。ストロボエッジ大好きだったんだがなかなか手を出さんで様子見してたんじゃ…。

 

ぶっちゃけると「ストロボエッジ」に比べると、きゅんきゅん度が減った印象だったんですよ。リア充臭いというか。美人故に、わざと女子力下げるとか、女の妬みとか見て「…うーん」となってしまったもの。

 

ところがどっこい、巻を重ねる毎に青臭いきゅんきゅん度が増加していき、4巻では思わず悶絶して部屋中をゴロゴロと転げまわってしまうぐらいの破壊力を発揮するのでした。

 

これは素晴らしいな！

アオハライド

大人しく男の子が苦手な吉岡双葉。

そんな彼女が中学の時に初恋をする。

 

相手は田中くんで、ふとお互いが目が合ってお互いがわざとらしく目を逸らすというピュアでニヤニヤするような関係。ところが行き違いの末に、田中くんは中一の時に転校してしまう。

 

そして高校生になった双葉は初恋の田中くんと再会する。

 

田中くんは苗字も変わって、中一の頃の田中くんとはまったくの別人になっていた…というもの。で、その田中くん=増渕洸は変わってしまったものの、本質は変わっておらず、双葉がだんだん惹かれていくというもの。

 

まあ、これが凄く良いんですよね。

5巻は特に素晴らしく、僕の心の琴線を刺激しまくりです。

 

今までも当然面白かったんですが、5巻にして色々と動き出して引き込まれてグイグイと読まされます。これは素晴らしい！

 

僕の心の琴線を刺激しまくる

 

なにそれかわいいっ！！！！

 

中一の頃の目が合うと必ず一度逸らしてまた合わせるを彷彿させるニヤニヤするイベント。

 

「ストロボエッジ」もそうなんですけど、咲坂先生はとくかく胸きゅんイベントの魅せ方が上手い。洸が変わってしまった過去、心の扉を開けていない、いやそもそも鍵穴どころかドアノブも作り忘れられたという喩え方。

 

ドアノブすらないんなら、もうどうしようもないじゃないか！

 

だがしかし、双葉の真っ直ぐさが凄い。

「だったらぶち破ってやる」

 

「だったらぶち破ってやる」とか何この娘！

 

基本少女漫画の主人公って受けが基本というか、自分からグイグイいく娘が主人公って少ないじゃないですか。双葉の真っ直ぐさとか、グイグイ行動する様子がグッときますね。

 

そして洸の心の扉を開けた時の爽快感がたまりませんよ。

文字通りぶち破るというか押し倒すというか。

 

その様子は、読んでるこっちが小っ恥ずかしくなるような展開だったんですが、ああ、こういう青臭い青春が僕は大好物だったんだなと改めて気づかせてくれました。

 

ドキドキが止まらないとはこの事である。

本当に色々と動きだし一気に面白くなってきましたね。

 

見事にアテ馬だった悠里の報われない娘属性っぷりに、僕の心の琴線は刺激されまくりですし、修子と田中先生のやり取りも思わずニヤニヤする。メイン2人が動き出して、回りの面子もドキドキものになって相乗効果ですね。

 

で、双葉と洸。

こいつらどう見ても両想いじゃんなんだけど、ストレートに上手くはいかない。

 

これこそ咲坂先生の十八番であり、少女漫画の醍醐味ですよ。

上手くいかないというか

 

「好き」って言葉ちゃんと言えるのかな。

「すき」って言葉口にしたらどんな感じ？

 

そんな風に思って、踏切の音や電車が通る音に紛れて実際に「好き」と言ってみる双葉のもどかしくもグッときてしまいます。また双葉の赤面っぷりがクソ可愛いに尽きる。

 

このやり取りは思わず悶絶して部屋中をゴロゴロと転げまわるレベルですよ。

 

なんていうのかな。僕が少女漫画を読む理由も、高校生ぐらいの青臭さというか恥ずかしさっていうのかな。不器用さが凄く大好きなんですよね。

 

どかしさが僕の心の琴線を鷲掴みにするってもの。ラブコメ全般にいえるんですけど、もっと上手に出来るはずなのに出来ない様子。これが高校生らしいっちゃらしく、見てて「そうじゃないだろ！」と思わず突っ込んでしまう事が至福でもある。

 

一生懸命でもちょっと違うだろと思う感じ。

だからこそやきもきしつつも目が離せないしドキドキきゅんきゅんする。

その魅せ方がが本当に咲坂先生は描くのが上手い。不器用な青臭い青春がいい。

 

そもそもラブコメ漫画というものは設計＆構造上の理由で、告白したらそこで試合終了であもある。故に、結果をズルズル引き延ばすものである。

 

「アオハライド」も当然、お前らどう見ても両想いじゃん告れよと思うもズルズル伸ばす。結局のところ、この伸ばし方が凄く上手いんですよね。

 

また、4巻のキモといえば洸と双葉が目が合うを筆頭に、中学1年の時の青臭い甘酸っぱかった事を彷彿させ、あの頃よりも成長を感じさせる事ですかね。不器用すぎた中学1年生の頃…。

 

中一の約束

 

洸
「夏祭り行くの？友達ともう約束した？」
「7時三角公園の時計のとこ。」

双葉
「…え。何？これ。おまつり一緒に行こうって…事かな…」

 

 

なんつう不器用なやり取り。

これ青春なり。

 

そんな約束（？）を交わすも、ちょっとした行き違いで洸は結局約束した場所に来なかった。しかし、3年後に再び同じ約束を交わすのである。今度は恥ずかしくて一方的なやり取りではなく、きちんと言い放つ。

３年越しできちんと約束

 

 

中一の頃に一緒に行けなかったあの夏祭り。

 

「7時に三角公園の時計のとこ」という恥ずかしさから一方的に言うだけだった約束ともいえない約束。分かりにくい。でも、今度はきちんと約束しようとするのである。

 

「7時三角公園の時計とこ」

「今のはおまえと新しく約束したつもり」

「今度こそ行くか」

 

くぁwせdrftgyふじこlp

 

なにこのクソ悶絶するやり取りは。

洸が変わった理由、その扉をぶち開け、超ニヤニヤ展開といい「アオハライド」は一気に僕の中ではじまった！まじで先が楽しみ過ぎるというものですよ。

無料で読めます

ちなみに集英社公式アプリ「マンガMee」なら『アオハライド』を筆頭に咲坂伊緒作品が無料で読めます。「りぼん」「マーガレット」「クッキー」などの集英社レーベル作品が全部無料です。

 

 

他に多数の新旧の名作が無料で読むことができます。

無料ですので通学や通勤のお供に是非アプリを入れてみてください。