「ラストゲーム」2巻が発売されました。
そも、「ラストゲーム」は元々3話完結でスタートした作品であり、1巻収録の3話で既に完結してるっちゃ完結してる。だからこそ、1巻における完成度がグンバツでした。それが「続きが読みたい」の声多数につき、続編の連載が決定して2巻発売となったのです。
1巻が、小学生編、中学生編、高校生編を一気にやってしまい大学生に成長した柳と九条さん。2巻は大学生になった2人のあれやこれやというエピソードである。
元々3話完結予定で、すでに完結している状態なのに、続きをやるというのはちょっとした不安もありましたが、2巻を読んでただの杞憂に終わりました。めがっさ面白い!
主人公の柳くんの不憫さは半端ない。
僕は少女漫画では当て馬が大好物なんです。
『ラストゲーム』2巻
で、「ラストゲーム」の柳のポジションはヒーローなんですよね。なのに、滲み出る柳の「不憫な男オーラ」よ。凡百の当て馬よりも報われない不憫っぷりが滲み出ている。
不遇っぷりよ
九条さん
「友達なんて一人もいなくて、そんな私にずっと付き合ってくれたのは柳だけだった・だからこれからもよろしくね。その…とっ、友達として」
10年かけて友達になれました。
「ラストゲーム」のタイトル道理、最後の勝負を持ちかけた柳。その内容は「オレが九条に気持ちを自覚させられたら、左手の薬指に指輪をはめてよ」というひびプロポーズまがいの事をして、お友達宣言される柳。
すごいな、凡百の当て馬よりも不憫なオーラを漂わせている。
とはいえ、どう見ても両想いなんですけどね。気付かぬは本人だけっつーね。
柳が九条さんを「ただの友人その1」と言えば本気でへこむ九条さん。
友人その1と聞いて
柳の中の沢山いる友人の1人にすぎないとへこみ、「…なんだろう、さっきから胸のあたりがもやもやして」「―なんだか、きもちわるい―」って、どう見ても惚れてます。本当にありがとうございました。このもやもやを体調悪いせいだと自己完結するところが九条さんらしいね。
九条さんの可愛いところは、どう見ても惚れてるのに恋だと気付かない点ですよね。随所で炸裂する柳殺しの台詞や表情は、読んでるこっちまでズキューンとさせられるという話です。
柳殺しの九条さん
「柳といる時がなんだか一番ほっとするみたい」とか「だって、また柳の近くにいられるもの」とか笑顔で言われたら、柳じゃなくたって陥落ちるっつーの。そうなのだ、九条さんは天然ジゴロなのだ。新キャラ・相馬も惚れるんじゃないかという臭いを漂わせていた。
少年誌ラブコメの主人公の持つあの、「鈍い、天然、ジゴロ」の3種の神器を持ち合わせているのが九条さんである。
「花とゆめ」少女漫画ではよくある、天然で好かれてるのに気付かないヒロイン、好きだと気付かれない男ってのはテンプレなんだけど、柳の男視点でこれをやると、なかなか少年誌と少女漫画の良さが融合している。
1巻の完成度が高すぎてどうなるかと思いましたが2巻もなかなかにハートフルでした。ニヤニヤしました。可愛かったです。個人的なキモはやっぱり名前呼びでしょう。
名前呼び
何でも言う事聞くという九条さんに、下の名前を呼んでもらったらめがっさ照れてしまい「やっぱりいい…」と言いだす柳。なかなのニヤニヤ成分であった。九条さん早く自分の気持ちに気づいて赤面見せて!柳の報われなさが面白いからそれはそれでいいんだけど。
とはいえ「ラストゲーム」2巻では、天乃先生の描く「女の子の赤面成分」と「女の子の泣き顔成分」は不足していたのは事実である。そこで2巻に収録されている読み切り「わすれ雪」ですよ!そのヒロイン都が僕の心の琴線に触れました。可愛かったです。
都
圧巻の可愛さだ。
やはり天乃先生の描く女の子の泣き顔はとんでもない破壊力である。
しかし読み切り「わすれ雪」はストーリーといい構成といいキャラといい、本編食うぐらいに面白かった。ラストの展開とか色々と衝撃で、結末知ってから読み返すと違う見方が出来る良作でした。
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