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『サクラノ詩』をプレイし終わった


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『サクラノ詩』クリアした。

最初の発売予定が2004年春から11年

 

発売延期ってレベルではない。SNOW戦線もラヴァーズ戦線もクラナド戦線もオルタ戦線も俺つば戦線も生き抜いてきた老兵のワシもビックリ仰天で、まさか本当に発売されるとは…といったところ。で、あえて点数付けるなら『素晴らしき日々』が100点なら60点か70点です(あくまで個人の意見ですけど)。期待値が高すぎたのかもしれんけど。じゃあ凡作かっつーと、そうでもないテンションによっては30点も90点つける。そんな作品。

 

いまの美少女ゲームというのは話題性がセミの寿命並に短く儚いので、まるで流れ星のように一瞬で消えていく。一昔前なら、オタクならブロガー(サイト管理人)なら誰もが話題作をプレイしたものであるが。私の周りでも現役で美少女ゲームをやっているものなど誰もいなくなってしまった。

 

『ランス』シリーズ、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』、『EVER17』、『ONE』、『KANON』、『Air』、『CLANAD』、『家族計画』、『クロスチャンネル』、『To
Heart』、『ホワイトアルバム』、『うたわれるもの』、『パルフェ』、『この青空に約束を』、『君が望む永遠』、『マブラヴ』、『オルタ』、『月姫』、『Fate』、『つよきす』、『車輪の国、向日葵の少女』…等はもうみんながプレイしていたものである。オフ会などで語り合ったものである。ある意味、オタクの嗜みというか共通の話題が美少女ゲームであった。それも今は昔…

 

あの頃は発売日前から指折り数えてワクワクしながら楽しみにし、この業界お約束の「発売日延期」を、何度も訓練されていたのに、この世の終わりのように絶望したものじゃ。そんな感覚もすっかり忘れていた昨今で『サクラノ詩』は発売日前からワクワクする、あの頃の感覚を思い出させてくれた。家に帰るまで遠足によろしく、発売日前からワクワクして「発売日延期」に憤慨するところからが美少女ゲームなのである

 

そういう意味では『サクラノ詩』は10年以上も楽しませてくれた。

 

「2004年春→2004年夏→2004年秋→2005年冬→2006年→2007年→2008年→2009年→未定→制作凍結→2014年冬→2015年7月24日→2015年9月25日→2015年10月23日→本当に発売された!」…というドラクエシリーズも裸足で逃げ出す発売延期を繰り返し紆余曲折を得て発売された伝説である。

 

 

発売前から非常に楽しませて頂きました(褒めてます)。11年も発売延期されたのは、それだけで伝説である。発売しない伝説の究極である。以前と比べて、キャラの造詣も一変しつつ当時の面影も残しているのは興味深いどころでしょうか。

 

(以下ネタバレ有り)

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以前発表されたメイン登場人物

名作であることは間違いない

大きく分けてシナリオは4つ。御桜稟ルート、鳥谷真琴ルート、氷川里奈ルート、夏目雫ルートをクリアすると「Ⅳ」「Ⅴ」「Ⅵ」のシナリオが出現してグランドエンディングという流れ。
まずズバリ言いましょう。鳥谷真琴が可愛かった。一番はじめにクリアしたヒロインで、めったくそ可愛かった。終始ニヤニヤしました。

 

シナリオとしては心の琴線にまったく響かなかったのですけど、離ればなれになってた幼馴染とか精神的妹とか姉のような存在とか以前に助けてたとか、主人公との過去を共有するいかにもなヒロインに比べると、浮いています。だが!それがいい。凡人のヒロインっていうか。名前からして凡くさいじゃん。鳥谷って…。阪神の某.280に収束する遊撃手みたいに。なんつーか他のヒロインは「昔は主人公と~がありました」って感じなんですけど、鳥谷真琴は「昔」より「今」なんです。

 

といかヒロインは幼なじみばっかじぇねーか!

幼なじみってのは希少性が大事なんだよ!

 

大事なのは「世話焼き」「ヤキモチ」「結婚の約束」があってはじめて真の「幼なじみ」なんじゃ!幼なじみとしてショボいんじゃ!朝起こしに来ない者を幼馴染って言えますか?世話焼き以外を幼馴染と言えますか?ヤキモチを焼かない者を幼馴染って言えますか?言えません(断言)!それら全て揃って幼馴染なのです。

 

こういうのは只の「昔からの顔なじみ」って言うんです。

なんちゃって幼なじみなんじゃ。

 

オヤジの栄光時代はいつだよ?全日本の時か?

鳥谷真琴は…真琴は今なんだよ!

 

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鳥谷真琴は今なんだよ!

 

他のヒロインはスタートと同時に「好きだ」と告白すれば、そのままゴールインしてしまう好感度の高さに比べると、真琴はまさに「今」の学園生活を通してお互い惹かれていくのが実に良いですね。

 

ラブがコメる流れは真琴シナリオが最高であった。

可愛すぎるっつーの!

 

まあ、真琴シナリオ自体があんま心の琴線に触れないのは残念なんだけど。「届かなかった。届かなかったけど…」「これでいい」…、じゃねーよ!そこは届けよ!

 

このモニョモニョがラストまで続けく。『サクラノ詩』という作品の「ファッ!?」って感じが収束してた。稟ルートも里奈ルートもラストはそんな感じである。元天才絵描きの主人公が絵を辞めて普通に進学して生きていくというラスト。シナリオだけなら雫ルートがぶっちぎりで良かった。そんな印象。

 

あ、各ルートのEDは胸熱でした。

あえていえば、アニメのシャフト的というか、いい意味で不気味さというか気持ち悪さというか意味不明さがあった

 

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各EDはシャフトアニメのように不気味さと不思議さと面白さがあった

 

『サクラノ詩』の主人公は幼少時代は天才画家だったけど、利き腕を怪我して昔のような絵画が描けなくなって燻っている元天才少年である。

 

まあそうすと、我らの分身である主人公の大団円は以前のような絵画を描くなりして幸せを迎えるってものでしょう。

 

それが無かった

いや、あったんだけど、以前以上の絵画を描いたんだけど、その先があって燻っていた

最後は真顔になって「え?これで終わり?」って画面を見つめていた。

 

夏目雫ルートまでで、凄まじい傑作で名作で大作の予感を感じたものです。ぶっちゃければ『サクラノ詩』で最も涙腺を刺激し鳥肌を立てたのは雫ルートの過去邂逅で、主人公が天才画家の親父の贋作を作成して親父も感嘆してお礼を述べた時である。

 

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親父も認める傑作を描き上げる

 

この時にテンションMAXで「うおおおおおお!」ってなったものです。あの親父が認めた、いや超えた!そんな絵画を完成させた主人公。鳥肌が立ち涙腺を刺激する屈指の名シーン。クリックしながら「キタ!キタ!これじゃ!これじゃー!!」とガッツポーズすらした瞬間である。まさか、ここが作中の山場で最上になるなんて…。

 

極論をいえば、夏目雫ルートをクリアして「Ⅳ」「Ⅴ」をプレイすると、作中の謎の伏線を大部分回収して、俺(主人公)は幸せになれるって感じで大団円すら感じさせてくれた

 

雫ルートで主人公と父親、「Ⅳ」で父親の過去、んで「Ⅴ」では全てを踏まえて、主人公は辞めてた絵を描き、天才と対等にわたりあい、人生最高傑作を描く。もう「Ⅴ」をプレイして約束された勝利のハッピーエンドを確信したものです。利き手を怪我した主人公が迷って悩んで紆余曲折の果てに、昔以上の絵画を完成させたのである。

 

 

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作中最強の天才と渡り合い、人生最高傑作を描く

 

ここまでプレイして、最高のEDが見えましたね

芸術の世界的な賞を最年少で獲得し、主人公△□×(さんかっけー死角無し)のような大団円が。だがしかし。しかしである。

 

俺が予想した、読後に爽快感を得るような、気持ちよいプレイしきったというラストは用意されていなかった。ここで主人公が賞を取って、大団円にすれば最高のラストになったであろうに…。主人公の親友でライバルの圭が世界的な賞を最年少で獲得し主人公は敗北。しかも、圭は死んでしまうのであった。俺氏もクリックしながら「なにこれ?」と唖然としたものである。

 

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おお!圭!死んでしまうとは何事か!?

 

…ってドラクエの神父もビックリですよ!

 

『タッチ』のかっちゃん並に唐突の交通事故で死んでしまった主人公の親友&ライバル。それを乗り越えて、主人公がさらなる絵描きになるならまだしも、そうはならなかった。これが俺を最高にモニョモニョさせてくれた。一通りプレイし終わった後に、頭が「?」となったものである。これハッピーエンドなのか、と。

 

だってですよ!いくらでも途中で俺たちが求めるハッピーエンドに出来たのに。「Ⅴ」で世界的な賞を取って主人公△□×(さんかっけー死角無し)でもいいし、「Ⅵ」で実は亡き圭の意志を継いで凄い画家になりました…って感じのラストを期待してたのに。なんなら圭が女の子になって主人公と結ばれてもいい

 

なんつーか、拍子抜けというか、これで終わりかよ感が半端なかった。一通りプレイし終わった後の感想はほぇ?である。じゃあ凡作かといえば、決してそんな事はない。むしろ誰もが納得できる爽快感がある幸福なハッピーエンドの着地点にあえて降りなかったとすら思う。それがいいのかもしれんけど。

 

最終的に、主人公が手にしたのは非常勤から正規雇用という、民主党のCM並みの何とも言えないものであった。美少女ゲームって、主人公の頑張りと、ヒロインの葛藤や克服、そして僕らは全身全霊でマウスをクリック!この三者の涙ぐましい努力によって掴みとる素晴らしい未来こそ醍醐味でしょう。その果てがショボかった。というか現実的だった。

 

これが「幸福のその先」?なんか色々とモニョモニョするというか、高尚すぎたというか。もっと砂糖ドバドバ入れた甘いご都合主義のラストを求めていたんだけど。で、面白かったか面白くなかったかと聞かれれば、間違いなく面白かった。全クリした後は、なんともいえない感情になった。考えさせられますね。

 

しかし、美少女ゲームでは攻略できないモブキャラというのはお約束ですけど、『サクラノ詩』の長山香奈ほど攻略できなくて悔しがった事はありませんね。


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長山香奈

 

一通りプレイして、どう見ても長山香奈がメインヒロインであった。一番主人公の弱い所を見て、隣にいて、乗り越えたって感じ。すっげぇ良キャラだった。これほどまでにムカついて腹パンしたく、かつ可愛すぎて本気でデレさせたいと思えるキャラはいませんよ。おかしいでしょ!長山香奈が攻略できないなんて!

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