女子マネージャーと言ったらあだち充先生の作品ですよ。「南を甲子園に連れて行って」によろしく、女子マネを甲子園に連れて行く事こそ正義であり、ヒロインの為に部活を頑張るというのも何も間違っていないと証明しました。
そんなわけで、あだち充先生がサンデーで不定期ではあるものの、新連載を開始しました。
あだち充先生新連載
「オーバーフェンス」。
舞台は浅丘高校野球部。クセ者揃いの部員達とカワイイ女子マネ…目指すは甲子園!?
うん、これぞあだち充漫画ですよ。あだち先生と言えば、高校野球、女子マネ、そしてヒロインの為に甲子園目指すですよ!元祖、女の為に部活頑張る!
新連載オーバーフェンス
「オーバーフェンス」は親の意志を受け継いだ子供が甲子園を目指すという展開でしょうか。
週刊少年サンデー的には「戦国甲子園」を思い出しますけど、そこはあだち作品。
必殺技も飛び出しませんし、淡々として描写のみで野球をします。
やっぱりヒロインの髪型がロングです。予想通りである。
「みゆき」「H2」によろしく、あだち漫画のヒロインは黒髪ロング(セミロング)かショートカットのどちらかです。「みゆき」「H2」はダブルヒロインでしたが、サンデーで連載されるあだち作品は交互に交代でロングとショートの髪型のヒロインなのです。
タッチ | 浅倉南 | セミロング |
ラフ | 二ノ宮亜美 | ショート |
虹色とうがらし | 菜種 | ロング |
H2 | 古賀春華 雨宮ひかり |
ショート ロング |
いつも美空 | 坂上美空 | ショート |
KATSU! | 水谷香月 | セミロング |
クロスゲーム | 月島青葉 | ショート |
サンデー連載のヒロインはロングかショート交互にするの法則である。
新連載「オーバーフェンス」の女子マネ瀬里沢みのりはロング娘。
まさに予想通りすぎる安定感である。
今作「オーバーフェンス」は女子マネがヒロインであり主人公。
どうもあだち作品の女の子が主人公というのは、イマイチぱっとしないイメージでもあります。
というのも、あだち先生は女子の心理描写が下手くそというか身悶えするようなニヤニヤが絶無なのです。今まで、女子が主人公だった「スローステップ」でも「いつも美空」でも、ラブコメ要素は「ん?」と思ったり。
「スローステップ」中里美夏
まったくニヤニヤするラブコメ要素がありません。素直になれない&自分の気持ちに気付かないヒロインこそ真骨頂である為に、視点を女キャラにするとニヤニヤ指数が一気に下がってしまいます。
というのもあだちヒロインの真骨頂は、ツンデレというか素直になれないというか自分の気持ち気に気付かない不器用な鈍感娘というのがストライクゾーンど真中であり、主人公が女キャラでヒロインの視点というのがイマイチだったりしました。
しかし、「オーバーフェンス」は女キャラが主人公であるものの、恋愛要素の心理描写をあえて語らない感じなので、非常にニヤニヤできそうな予感です。
瀬里沢みのり
あえてラブコメ展開においては、瀬里沢みのりの心理描写が一切ありませんでした。
こいつは女主人公でも頬を緩めてニヤニヤしてしまうようになる可能性が高そうです。
あだち充先生と言えば天才的な「間」の取り方。
意味のないようでいてしっかり意味のある台詞もなにもないコマである「間」の使い方がやっぱり天才的。そして、きちんと結末を描くんだけど、関係をきっちり描かないところ。以前にも説明しましたけど、あだち充作品の良さはスン止めにあるのです。
絶妙すぎるスン止めっぷり
「―よし、今日はケーキを買って帰ろう…」
結末を詳細に描かないんだけど、関係は理解できる…という。
これこそあだち充ラブコメの真骨頂でもあります。
遠回りして全然進展しないのがあだち漫画ラブコメですけど、今作はどうでしょうか。
今作「オーバーフェンス」では、ケーキ屋の息子・桜井とラブがコメりそうな感じです。
みのりの気持ちは一切描かれませんけど、桜井がみのり事を根掘り葉掘り聞く理由は「桜井がよく人に頼まれてくるおまへの質問な、あれ、あいつが知りたいだけだから―」というものを人から聞き嬉しそうに微笑んで、ケーキを買って帰ろうです!
どう見ても両想いです。本当にありがとうございました。
きちっと描かれないけど、こいつら両想いじゃねという。
結末や結果を詳細に描かずに関係だけははっきりと判明させる事こそ、あだちラブコメの真髄なのです。
感情を表に出さない無表情系の突然のデレによろしく、赤面を制するものがラブコメを制すると言われている昨今ですが、あだちヒロインは赤面など絶対にしません。そういうものが一切ないのに最高に可愛い!100%赤面など感情を表に出さないのが特徴なのです。
期待するのはヒロインを甲子園に連れて行く事。
「ナイン」でも「タッチ」でも「H2」でも「クロスゲーム」でもヒロインを甲子園に連れて行く事でラブコメとして最大のフラグを回収してきました。やっぱり「タッチ」の南ちゃんを甲子園に連れて行ったのは伝説ですよね。
新田を三振に切ってとり甲子園出場を決め
南ちゃんの涙に多くの読者の胸が熱くなったもの。
まあ、南ちゃんは野球部のマネージャーをクビになっていたので正式に連れて行ったかどうかは意見が別れるところですけど。
また、「オーバーフェンス」のみのりのお相手になると思われる桜井は2番セカンドでエースであるピッチャーではありません。今まで「陽あたり良好!」「ナイン」で投手ではなくても1番センターの俊足という主人公はいましたが、2番セカンドというのはあだち作品では初です。
2番セカンド、桜井章夫
今までのあだち野球漫画のヒーローは三番投手か一番センターの2種類しかなかったので、2番セカンドというのはかなり楽しみです。
今作もキャッチャーがデブです。70年代に「ドカベン」でキャッチャーがデブは時代遅れと言われてましたが、あだち野球漫画ではもう黄金パターンです。
また期待したいのは、また、あだち漫画の作品は全て同じ世界観なので、浅丘高校がどこの県なのかは分かりませんが、お馴染みの高校が登場するかと思うと胸熱ですね。
そういえば、あだち充先生といえば昭和から変わらず「ムフフ」が特徴でもあります。特に脈絡もなく水着とかパンチラを炸裂させるのが伝家の宝刀でもあります。ゲッサンで現在会連載中の「QあんどA」でも1話目でムフフな展開を脈絡をなく炸裂させました。
「QあんどA」1話
特に脈絡も意味もなく1話目で、伝家の宝刀である「ムフ」である。
着替え、パンチラ、裸体などを何の脈絡もなく1話目で炸裂させる事こそあだち漫画なのです。
当然、新連載「オーバーフェンス」も女子マネ・瀬里沢みのりはパンチラとか着替えとかお風呂シーンが出るものと思いくや、まさかのムフ展開無しです。これにはビックリしてしまいました。あだち先生は一体どうしてしまったのでしょうか。
時代が進もうとも携帯電話とかそういったものが一切出てこない、昭和から続く古き良きものがあだち漫画。今作も非常に期待大なのです。まあ、つまり今作の女子マネ・瀬里沢みのりが最高に可愛いって事です!
瀬里沢みのり
うむ、やっぱり可愛いな!
不定期連載ですが非常に期待したいところですよ。
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