「私…次は上がいい…」
なんなんだこのオビは!律ちゃんの可愛らしい表紙にこの意味深なオビの台詞。
「僕らはみんな河合荘」4巻を書店で見かけら気付けば購入していた。おそろしい購買意欲を駆り立てる魅惑的な台詞であった。
「ラブ成分4:コメ成分6」らしいけど、1巻の頃に比べてラブ成分が赤丸急上昇じゃないですか。
※「マンガDX+」なら無料で読めます。
ほのかなラブ臭だったのが今では余裕で頬をニヤニヤさせてくれるラブのコメりっぷりである。まったく進んでないように感じられた2人の関係がゆっくりですけど着実に前進している事が分かる。素晴らしい。実に素晴らしいですぞ!
良いぞ
今までも「僕らはみんな河合荘」は大好きだったのですが、特に4巻がお気に入りになるというものです。4巻収録のエピソードは真弓さんが太ったり、文化祭だったり、河合荘の卒業生が登場したりと見どころ満載。そんな中でも特筆すべきは一点だろう。律ちゃんが立ち位置であろう。
律ちゃん
なぜか切ない表情の律ちゃんである。
一体何があったのかといえば、宇佐との間のちょっとした変化ってやつですよ。宇佐がクラスメイトと仲良く話す姿を見たり、妖ハンを借りてるところを目撃しちゃったりする律ちゃんである。どこか寂しそうな表情。なんすかコレ!
一方の宇佐は律ちゃんに会えなくて先輩成分が不足するも「俺のことなんて気にもせず本に夢中だろうけど」とか思っちゃうわけですけど、そんな風になっていなかったっていう。律ちゃんめちゃくちゃ寂しそうにしてるの。
そうなのだ。
4巻のキモは律ちゃんの寂しそうな反応にあるのだ。
だってですよ。今までの律ちゃんといえば、本が大好きで己のペースを崩さず一方的に宇佐を振り回すというのがキャラとしての役どころだったじゃないですか。それが、いつのまにか宇佐に振り回されてしまっているでござるの巻きですよ。立ち位置が変わっている!
と思いきや、変わらず律ちゃんは宇佐を振り回すのであった。
振り回す律ちゃん
今まで何かと無関心を貫いていたあの律ちゃんが、宇佐が気になって目で追ってたり、寂しがったり、宇佐に振り回されちゃった末のコレである。
宇佐がゲームよりも本を優先してくれたと知り最高の笑顔を微笑みかけてくれるのだ。ズキューンと宇佐同様に読者のハートを打ち抜かれること請け合い。
律ちゃんは変わらず宇佐を振り回す。
だけど!律ちゃんは宇佐に振り回される。
つまり、ラブコメとして極上の関係図がここに完成したのだ。
お互いが相手が気になって振り回される…。
素晴らしい。実に素晴らしいです。
ラブコメ漫画なんてくっ付いたらそこで試合終了で付かず離れずの状態をキープし続け、途中で飽きてきてしまうんだけど、この2人は着実にゆっくり仲が進展しているから飽きさせません。
今回も変わらぬ下ネタが連発。
というか読んでてオチ含め丸わかりです。
それでも、あえて騙されてやろうと気にさせてくれる絶妙の釣りっぷりである。仕方ない。仕方ないよー!律ちゃんが可愛すぎるんだから!律ちゃんの天然下ネタの破壊力は留まる事を知りません。
天然下ネタ
ドドドドド、ドキン…。
おいおいおい!鼓動のビートが止まらないぜ!
律ちゃん恐ろしい娘である。
ジェンガで遊んでるだけなのに「一度触ったら絶対抜かなきゃいけないの?」とか、ボードゲームを頬を赤らめムズムズしながら「…する?」とか聞いてきたり、壁の修繕すれば「私…次が上がいい…」とか言いだしちゃうわけですよ。下半身が熱くなるのも仕方ないよー!
もうね律ちゃんの可愛さが半端ない。
ぶっちゃけ「僕らはみんな河合荘」の7割は律ちゃんの可愛さで出来ていると思うのです(個人の主観です)。
それほど律ちゃんの可愛さが圧倒的である。
とはいえ、残りの3割がこれまた素晴らしいんだ。7割が律ちゃんの可愛さなら、残り3割はまさにタイトル通り「僕らはみんな河合荘」なところですよ。
僕らはみんな河合荘である
4巻は麻弓さんのエピソードが多いんだけど、麻弓さんが太った状態で同窓会に行くとなれば、天敵の彩花まで協力(取引はあったけど)したりと、みんな協力的なの。これこそが「僕らはみんな河合荘」ですよ。
普段はくっだらねぇ日常をダラダラ過ごす河合荘の面々だけど、何かあるとみんなで一致団結したり協力するのね。
「僕らはみんな河合荘」は「僕らはみんな可哀相」なわけで。可哀相な住人の笑える日常コメディだけど、可哀相な住人はなんのかんのでお互いを補うように協力するし、コミュニケーションは濃い。人間関係の交流を描きホッコリする。
なんつーの。
「河合荘」の住人達の関係をあえていうなら「家族」というのが一番シックリきてたんですよ。
しかし、4巻9話でなんともいえない気分になってしまった。
以前に河合荘に住んでいた馬淵さん。久々に河合荘に戻れば感慨深くまたここで暮らしたいと言いだすんだけど、住子さんは突き放しちゃうっていうね。
住子さん突き放す
「もうここへ戻ってきてはダメ」
「一度出た仮宿に帰ってきてはいけないわ」
なんだと…ってズガーンと響いた。
「僕らは河合荘」のキャラ達は一緒に生活しているから「家族」のような関係と思ってたけど、決してそうではないのね。
河合荘は「仮宿」なんですってよ。
色んな変人達が共同生活して仲間意識芽生えてるから「家」かと思っていたけど「仮宿」なんだって。一度出たら帰ってきてはいけない。あえていえば「巣」である。ヒナが一人前に巣立つような「巣」のような役割なのでしょうかね。
つまるところ「僕らはみんな河合荘」の住人達の関係はなんなんだろう。他人ではない家族のような友人ってところでしょうか。
いつかこの面々も別れが来ると思うとちょっとシンミリしちゃうじゃないの。ズバリ4巻は「思い出」をテーマだったと思うんです。麻弓さんの高校時代とか馬淵さんとか思い出ポロポロ状態。特に、律ちゃんの心境の変化がね、いいんだ。
律ちゃんの変化
「離れていくのを『当たり前』って『仕方ない』って思えないから」
と文化祭終了後に思っちゃう律ちゃんである。
4巻8話でこう描き、9話では「いつかは馬淵さんのように」と離ればなれに巣立っていく事を描いちゃうっていうね。
なんすかこの流れは!なんのかんので作中の時間はゆっくりだけど進んでるのも色々と考えさせられます。総括すれば安定した律ちゃんの可愛さにペロペロするのみでした。
※「マンガDX+」なら無料で読めます。
コメント