「さよなら絶望先生」30巻が発売されました。
1集と同じ柄の着物にカバン。裏表紙は花嫁姿の風浦可符香。
これが最終巻です。
7年間の連載…まさに大往生といったところです。
もうボロボロ泣きながら読みました。
マガジン掲載時に個別で感想を書いているのでそちらも参考に。
※マガポケなら無料で読めます。
<関連記事>
298話から最終話までの怒涛の展開っぷりは何度も衝撃を受けたものです。
最高でした。感動しました。
そも、久米田先生は最後の4話は以下のように綴っていました。
最後までお付き合いしてくれた皆様、本当にありがとうございました。本の売り上げを見れば一目瞭然。途中でバスを降りていった人が大勢います。最後までご乗車していただいたみなさん、ありがとうございます。最終巻にもバス停を4つ用意しました。どこで降りても最終回っぽい作りにしました。マルチエンディングでなく一本道ですが、降りるところは選べます。鬱エンドとハッピーエンドを交互に躁鬱を繰り返すように作りました、どこのバス停で降りても構いません。
ほう、最終回は4つあって自由に選んでくれとな。
既に以前に書きましたが、4つの最終回について、もう一度さわりだけでも。個別で感想書いちゃってますので、そっちのがじっくり述べてます。
さらば『さよなら絶望先生』ワールド!
【298話、ようこそ絶望先生】
絶望少女達がまさかの全員死亡ENDという…ものでした。
いよいよ卒業式となり卒業生である絶望少女達が名前を呼ばれるんですが、呼ばれる名前は「千陀新院柚里真線童女(木津千里)」、「離無院巣徒乙家童女(常月まとい)」、「申訳無院愛夢想梨童女(加賀愛)」…というもの。故人に対する戒名である。
卒業
まさかの全員死亡ENDである。
とはいえ、絶望少女達はみな笑顔で感謝していた。
席替えならぬ籍替え、鬼籍に入る…。
絶望少女達は全員死んでいたけど、糸色先生のお陰で笑顔で卒業していった…これも一つのENDです。
【299話、絶望の組と幸福な少女たち】
ヒロシは成仏していない!という事で、現世からの卒業、未練があり漂ってるヒロシくんの魂をこの世から成仏させる為に交は依代となる。
つまり絶望少女達も成仏していない幽霊の依代であった事が判明。
298話での卒業式は、成仏していない霊を卒業(成仏)させる為のものでした。
で、肝心の中身、依代となった絶望少女達は自殺未遂者であり、依代となり二のへで霊を成仏させる為の学園成果をしていた、と。
成仏できない霊の代わりに学園生活を送っていた…けど
本当じゃない生徒、本当じゃない級友、本当じゃない先生、出身も年齢も違う縁もゆかりもない者達が何かの力によりこの教室に集められた。最初は依り代として始めた偽りの学園生活だったけど、それはいつしか私達自身の学園生活になり、私達2のへは本当のクラスであり、みんなは本当の級友でした。
涙腺に直撃の感動的なエピソード。
そして、糸色先生は絶望少女にとって本当の先生でした。
最後に絶望少女達が「絶望先生ーっ」と声を揃えるのは涙無しでは読めません。
まさにハッピーエンドです。これも一つのENDである。
【300話、私たちの知ってる可符香ちゃんは天使みたいないい子でした】
299話まででいいエンディングであったと心から思えるんですが、一つだけ忘れています。
そう、風浦可符香の存在を。
途中から綺麗サッパリ消えてしまった彼女は、どうしたんだってばよ!
実は彼女、事故に合って死亡していたのです。PN風浦可符香の本名は赤木杏。
そして絶望少女達はドナー提供を受けていた…という。
絶望少女が交代で風浦可符香を演じていた…、いや交代で出現していた。
共有人格、PN(パーソナリティー)シェアリングである。
交代で風浦可符香になっていた
ヒトリの人間が複数の人格を有する多重人格とは逆に、一人の人格が複数の人間の中に存在していた。ちなみに風浦可符香というPN(ペンネーム)の由来はフランツ・カフキア、変身である。
ある朝目覚めると風浦カフカは、小節あびるになっていた
ある朝目覚めると風浦カフカは、木津千里になっていた
ある朝目覚めると風浦カフカは、(常月まといになっていた)
ある朝目覚めると風浦カフカは、(小森霧になっていた)
ある朝目覚めると…
風浦可符香は…
なっていた。
さよなら風浦カフカ
これも一つのENDである。
風浦可符香は絶望少女が順番でなっていた。
最後に1話の糸色先生とカフカの出会いのシーンである。
倫ちゃんの「(交は)望兄様のように鍛えていない」という台詞からも、糸色望は首を鍛えて霊の依り代であったのである。
つまるところ、成仏してない霊・赤木杏、依り代・糸色望という。
9話の今週の絶望先生は取材の為にお休みした時など、代わりに知恵先生が出席を取っていましたが、「赤木」と呼ばれる生徒がいました。
糸色先生が赤木杏の依り代である可能性が微粒子レベルで存在する。
【最終話、さよなら絶望先生】
連載時では途中から消えてしまった男子生徒についても、単行本ではきちっと回収していました。最終回に向けて怒涛の伏線回収が行われ、何度も唸らされましたが、男子生徒まで回収された感無量です。
男子生徒
コミック描き足しの最終話では、対象GUYの三人が登場し「オレたちの伏線回収の対・象・GUY」と登場し、青山&芳賀も出てきて事の真相を追求。
男子生徒は、糸色先生に何かあった時のバックアップメンバーとして集められたそうです。
そして、最大の感動はヤッパリ赤木杏ちゃんである。
事故にあって成仏出来ない、糸色望が依り代となって…という感じだと思うのですが、赤木杏は成仏出来たのかっていうね。まず、絶望少女達の中で風浦カフカは消えてしまっていた。もう忘れてしまっている。
それでも!
歌ったんだ!
歌詞付きのトロイメライである。
10話でカフカが歌った不気味な曲を、絶望少女達が歌う。
そう、陳腐な言い方かもしれないどけど、風浦カフカは絶望少女達の中で生き続けているのでした。
(続くぞい)
コメント
そんなに良いオチかなぁ
久々に絶望先生を単行本で見返しましたが(そして久しぶりにヤマカムにもお邪魔した) 個人的には良い結末だと思いました。
特に300話と30Xを以て 漫画史上類を見ない純愛にしてハーレム漫画と成ったんだと思います。
アンと別れ、アンと出会い。/カフカ達と暮らし望が増え、時にその吸引力に誰かが引き込まれ、増える。
正にこれこそが”愛しき望む”の物語であり、”さよなら絶望”した先生の話だと思いました。
読み直して忘れていたこと、当時の状況。読み直して気付けなかったことをヤカマムさんのサイトを閲覧させていただくことでより鮮明に再読することができました。
ありがとうございました。