『ワンピース』83巻が発売されました。
帯には「“四皇編”VSビッグマム、開幕!!」と書かれていました。これはサンジ奪還編と同時に「VSビッグマム編」ってことでいいのかにゃ。とはいえ、最新話を読む感じではルフィはサンジの帰りを待つって様子で、ここで実際にビッグマムと戦うということは無さそうだけど。
83巻は828話「1と2」から838話「チョニキ」までを収録。
いやージャンプで読んでも面白いですけど、コミックでまとめて読んだほうが『ワンピース』はじっくりと堪能できますね。また違った発見にゃ違和感なども見つけられるし。
ジャンプ掲載時に個別に書いたのは以下の通りです。
<83巻収録の感想記事>
833話「ヴィンスモーク・ジャッジ」で牢獄に入った幼少時サンジの出てる目が逆だったので、様々な憶測を呼びました。サンジはもう1人いるとか二重人格とか色々と考えられましたがコミックでは描き直されておりました。
牢獄のサンジの出てる目はコミックで描き直されてました>『ワンピース』コックの「3人目」 ヴィンスモーク家三男サンジは謎だらけ https://t.co/Tbk49T5lXz
— 山田 (@yamakamu) 2016年11月5日
ジャンプ掲載時 / 単行本収録時
サンジが2人いるとかそういう類ではありませんでした。
ということは「お前…辛かったよな」と述べたのは過去の弱かった自分に言ったってことですね。弱かった自分と決別して他人行儀に呼ぶ。今のサンジは強いですからね。いままでの描写だけみるとジャッジとニジとヨンジは互角(以上)に渡り合えそうですし。サンジつおい!
コミック83巻の見所
83巻でもっとも括目すべきポイントはSBSでしょう。
ハート海賊団の裏設定やゾウの足やドレスローザのカボチャなど見所満載でした。一番気になったのは、ドレスローザのドフラミンゴとヴィオラの会話について。以下のような質問と回答がありました。
Q、私はドレスローザ編が好きで、何度も読んでいるのですが、どうしても読み取れない所があるので、今回SBSに質問を送らせて頂きました。
「第788話“私の戦い”の中で、ヴィオラとドフラミンゴはどうしてお互いを“ドフィ”“ヴィオレット”と呼び合ったのでしょうか?」
あの時、二人は何を思って考えていたんでしょうか?
A、んー、切り込みますねー。これはねー深い裏設定があるんだけど、教えられません。担当には教えたけど、かなり大人な物語なので、少年漫画ワンピースとしては隠します。大人の皆さんは妄想してみてください。まさに情熱の国ドレスローザ!!
ワンピの単行本83巻読んでこの記事を書いたぼく勝ち誇る>『ワンピース』、ヴィオラにその手を汚せというのか https://t.co/XJRt4SpYN3
— 山田 (@yamakamu) 2016年11月5日
ドフィ&ヴァイオレット
【ドフラミンゴ】
「――じゃあ、お前は何をしに来たヴィオラ」
【ヴィオラ】
「ドンキホーテ・ファミリーが崩壊するというのに…」
「幹部だった私が…何のケジメもつけないなんてムシが良すぎるでしょ」
「私が死ぬか…あなたが死ぬかよ!“ドフィ”!!」
【ドフラミンゴ】
「フッフッ…!情熱的だな…ヴァイオレット」
当時から気になっていたんですよ!
「ドフィ」って呼んでたのはファミリーじゃ義兄弟(ヴェルゴさん、トレーボル、ディアマンテ、ピーカ)の4人だけでしたからね。なんでヴィオラが「ドフィ」って親しみの名称で呼ぶんだって引っ掛かるポイントでした。
んで、私はドフラミンゴとヴィオラが大人な関係、ドフラの女だったんじゃなのではないかと思ったわけです。
情熱的なドレスローザの女は男の裏切りに合うと刺すという説明。サンジと会った時に「私はもう恋を捨てた女」「男なんてみんなウソつき」といった意味深な台詞 。なにより三下の部下たちは「ヴァイオレットさま」でなく「姐さん」と呼んでたし(極道界じゃ親分の女を「姐さん」と呼ぶ)。以上を踏まえると男と女の関係だったのではないか、と。83巻のSBSで「深い裏設定」「大人な物語」とコメントされ、確信しましたね。
ドフラミンゴとヴィオラの大人の物語か…。
妄想がはかどるぜ!
ビッグマムの情報収集っぷり
83巻は、ジンベエがどうなったのかなど気になるポイントは多々ありますけど、一番引っかかるのはカポネの行動。どー考えても腑に落ちない点です。カポネに抹殺されたペコムズは怪しさ満点である。
第834話「おれの夢」
一見すると人情に流されたペコムズはビッグマムの命令で用無しとして判断され消されたようにも見えるけど…。おかしい。明らかにおかしい。
ペコムズがビッグマムを怒らせたのは間違いないようでタマゴ男爵は「一緒にママに許しを乞うてやろうと思っていた」と述べています。同時にペコムズの行方を捜しています。ということはカポネがペコムズを消したのはビッグマムの命令でないでしょう。
「ペコムズ…チャンスは与えたぞ」「チャンスとは思えなかったぜ」のやり取りといい、銃で撃たれる寸前に「てめェママをナメすぎなんだよ!!」の台詞といい。カポネがビッグマムを裏切って何かを企んでいそうである。ビッグマムの娘は母親よりも夫を優先する傾向があるので、22女シフォンも一緒に裏切ってそう。
とはいえだ。
ビッグマムの裏をかけるとは思えない。無理でしょどう考えても。
だって、ルフィたちがやってきた来たことも行動もほぼ筒抜けだったしね。なんたって国中の物が擬人化されてるホーミーズだらけですから。
何でもお見通しのビッグマム
ビッグマムの質問に何でも答えてくれるホーミーズたち。
ルフィたちも「来てるんだって~?」「来てるんです♪」と又聞きで知っている様子でした。自分が千里眼的な力を持ってるってわけじゃ無さそうですけど、ホーミーズたちから何でも聞ける感じです。
国中にこんなのいるわけですからカポネが何かやらかそうとしても筒抜けになってそうである。ジンベエに対してものっけから「ウチやめたり…しねェよな」(怒り顔)とすごんで見せたし。ジンベエが抜けようとしてるのも事前にお見通しだった節がある。おそろしいビッグマムの情報収集っぷり。
トットランドにおいてビッグマムに隠し事は出来ない。
まだ捕まっていない(補足されてないと本人たちは思ってる)ブルックとペドロもこれ絶対にバレてますよね。
めちゃめちゃホーミーズに見られてるんですが…
この2人はまだ自由に泳いでいるんだけど、街中で擬人化されてるホーミーズたちに見られている描写が多数あるのでビッグマムに筒抜けになっている可能性が高いですね。何で泳がしているのでしょうか。たいした敵と認識されていないのでほっとかれてるのか…。案外、今回のサンジ奪還編の鍵を握る可能性が高いかも。
ビッグマム海賊団のマーク
ビッグマム海賊団は他の海賊たちと明らかに違う点があります。
それはまったく海賊旗のドクロを主張していないこと。ドレスローザなんていたるところにガイコツに斜線のドフラミンゴ海賊旗があったじゃないですか。他の海賊も同様ですよ。ビッグマム海賊団はちょっと今までの海賊と違うよね。
今回のトットランドで一番「おや?」と思ったのは全然ビッグマムの海賊旗を見かけないことです。というか子供たち幹部すらビッグマムの掲げるドクロを誰も付けていません。他の海賊ならば、船員たちは海賊旗のシンボルマークを刺青に入れたり、服やアクセサリーに付けてるのが『ワンピース』の海賊たちの特長だったのに。ビッグマム海賊団はそれがまったく無い。
そもそもシャーロット・リンリン本人すら違うドクロマークの帽子被ってるし。
この帽子のドクロは表情がコロコロ変わっているのでホーミーズだろうけどさ。誰も海賊旗のドクロを掲げていないってめっちゃ気になるんですよ。違和感しかない。
ドクロのマークは「信念」の象徴であり、海賊旗は「命を誓う」旗(148話)であります。ですので、ビッグマム海賊団にはそれが無いとも取れるんですよね。信念も命も誓って無い海賊団である。
まとめるとプリンちゃんまじ天使
83巻を総括するならば、プリンちゃんが可愛かったことに尽きる。
プリンちゃん
圧倒的な可愛さである。
ちょっと大天使すぎませんかねぇ。ジャンプで読んでた時も心の琴線に触れましたが、コミックでまとめて読むその「可愛い力(ぢから)」はまた格別。まとめるとプリンちゃんが可愛かったという結論です。まる。
ONE PIECE モノクロ版 83 (ジャンプコミックスDIGITAL)
集英社 (2016-12-02)
コメント
いつも楽しくヤマカムさんの考察を拝見しています。
ヤマカムのワンピース記事すこ
的確な考察楽しいです。
ドクロを主張してない かぁ、さすがヤマカムは目のつけどころが一味違うなぁ
理由を考えてみたけど、最終的に、「海賊」とはなんなのか。というよくわからん疑問に陥ってしまった…深すぎるよワンピース
大人な物語…ということは
ロビンの「16です。何でもします」にもそれ相応の物語が…
妄想が捗るな