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『からかい上手の高木さん』堂々の完結!「手を繋ごう」「手をずっとこうしてたいの」のアンサーだった件!

からかい上手の高木さん

 

『からかい上手の高木さん』(山本崇一朗)20巻読了。

これが最終巻になります。

 

“からかい青春コメディー”ここに完結!

中学校入学の日、教室の隣の席で出会った高木さんと西片。
その日から2年と少し。二人の関係が、今までとは変わる日。
中学3年生の夏休み。あの日“約束”した夏祭りの夜。
ここで踏み出す、小さな、大きな一歩。

少年の勇気。少女の健気さ。
ここから未来へ続く、二人の物語───

 

くぅー!感無量という他ない!

 

今はハンターのメルエムの心境です。

そうか世はこの瞬間のためにこの漫画を読んできたんだな!と。

 

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グイグイくる高木さん

20巻「ブランコ」

 

最近の高木さんは「なんちゃってー!」「ウソ」を超越して否定することなくど真ん中に剛速球ストレートをズバズバ投げ込んできます。

 

高木さんはもう否定してないのにニブちん西片はハーレムラブコメ主人公の鈍感ムーブを続けていました。「からかうためだ!」と思い込む。

 

もはや後期の高木さんは超火力オラオララッシュでした。「(正直な気持ち)私だけなのかな」「(抱きしめる再現)はい。」、「(歌詞の)好き。代わりに言ってあげたよ」→「いつか聞かせて欲しいな」、「ん?見つめてるだけだよ。」「(楽しい時間は)西片といる時で慣れてる」…etc。

 

もう実質告白やんけ!!

 

初期の頃のように否定もジョークで済ますこともしてない。高木さん渾身の恋する乙女ムーブを全力だったのが見て取れます。

 

それなのに西片はやっぱり精神年齢がキッズなので、そういう恋とか分かっていません。しかし!しかし!それは突然訪れんです。

「あ。」

20巻「好きといういうこと」

 

西片&高木さん「あ。」

 

人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった。まいったな…。

 

それはふと見た高木さんの横顔である。高木さんは雨が上がって「あ。」と言ってるのに対して、西片は高木さんの横顔をふいに見て「あ。」と自分は高木さんの事が好きなんだと理解した決定的瞬間でもある。

 

高木さんの横顔を見て気付いてしまった

 

作中で舞台装置にもなってた下校途中の神社。

はじめて登場したのは2巻「雨宿り」でした。

 

雨宿りするために立ち寄り、お互いの体操服を交換するってマニアックなプレイをしてましたけど、着替えをお互い見ないってのもので、互いに「見ない」が主題にもなってた。高木さんは「見たかったら見てもいいよ」とからかい、見ることは無かった。同じ雨宿りでふと横顔を見たら…である。

 

そして黙ってる横顔の決まり手よ。

それはもう1巻からグツグツ煮詰めた帰結でもある。

隣の席の横顔

やっとこっち向いた。(1巻「変顔」)

 

西片はドキドキしていた。年頃の男子としてのドキドキでなく高木さんにドキドキしてしまった瞬間でもある。深読み・裏読みすれば、変顔対決での「やっとこっち向いた」以上の含みを持たせてた。隣の席の好きな男子がやっとこっちを向いたのではと。

 

…高木さんて黙ってると…(1巻「風邪」)

 

風邪引いて登校し、自分は弱ってるのがアニメ「100%片想い」でカウンター方法を覚えたのでいつでもからかってこいって心境だったら、気遣って高木さんは一切からかって来ない。そこでふと高木さんの横顔を見て…精神年齢ガキの西片もアレ?隣の席の高木さんって…と。

 

お互い見ない神社で、ふと高木さんの横顔を見て己の恋心にようやく気付いた西片は見事な起承転結だったのではないでしょうか。高木さんも実はふと隣の席のアイツを見て…という妄想まで可能だ。

 

決まり手は隣の高木さんの横顔を見て気付く恋心!

 

100%片想いが100%両想いになったので。そして1巻を彷彿させる相合傘エピソードや雨が止むかの勝負もまた最高すぎる顛末でした。

相合傘延長戦

よかった高木さんちまで続くかと思ってヒヤヒヤした…(1巻「相合傘」)

 

相合傘ってイベントは初期だけでなくその後も拾って西片が優しいを捕捉するエピソードにもなってました。

 

私、津溥儀の雨はわざと傘忘れようかな。そしてら、また誘ってくれる?(14巻「雨」)

 

高木さんの半分本気で半分からかいの問いの西片は某伝説昼番出演依頼のように「いいとも!」であった。

 

だからこそ、20巻の相合傘エピソード「おまもり」は最高と断ずるに些かの躊躇もない極上のスイーツに昇華させてました。

 

シチュしか描かれてないが、高木さんは本当にわざと傘を忘れのではないか?また初手「相合傘」で雨が止んだのでもう相合傘しなくて助かったって西片の心境から、好きと気付いたニブチン男子と乙女の高度な…尊いやり取りがパンパンに詰まってた。

 

西片「その…まだちょっと降ってない?」

高木「確かにまだ降ってるかもねー。」(20巻「おまもり」)

 

雨はやんでいた。

ネコはあくびしてた。

 

それでも雨はまだ止んでないテイで相合傘を続行したのである。あの相合傘恥ずかしくて仕方無かった西片が、雨止んでもまだ降ってるとウソをつき、高木さんはそのウソに乗っかり、雨降ってないのに相合傘を続けたのです。

 

初期の高木さんが半分からかいつつ半分本気だった雨上がっても一緒にいたい…相合傘したい…が具現化したのである。くぅー!感無量という他無い。バカップルそのものである。

花火が良いとラブコメとして伝説

 

感無量すぎる!

 

神社の雨宿りで高木さんが好きだと気付いたニブチン界のレジェンドは、やはりちゃんとすぐに想いを伝えるのである。それが夏祭りの花火ってのが何重にもドラマチックにさせる。はぐれた後、再会する紆余曲折も最高すぎた。いつも自身考えを見抜かれてて悔しいから嬉しいに昇華してて感動的。

 

ラブコメにおいて花火は、20年前に派遣だったラブコメ・スクランの沢近&周防のこじれた感情を打ち上げ花火で浄化させるのがはじまりであり、後発のラブコメも花火はラブコメの見せ場である重要回となりました。

 

 

花火と同時にキャラの想いもドカーンと打ち上げ花火のようにぶっ放すのです。それはもう素直に感動です!ラブコメ名シーンです!また一つ最高の花火ラブコメシーンになった。

 

見開きの花火ドーンと想いを伝えるのも、聞こえないふりして何度も言わせて最後に抱ききながら「ゴメン、ホントは最初から聞こえてた。」は悶絶死する破壊力があった。でも一番刺さったのは手を重ねながら花火みてたこと

 

つーか展開自体はアニメ2期を踏襲してましたね。

アニメオリジナルエピソードで手を繋ぐまでがこそばゆかった。

アニメ2期を極限までブラッシュアップ

アニメ2期「夏祭り」

 

アニメ2期は高木さんと西片が手を繋ぐが主題であり、オリジナルエピソードではぐれないようにって手を繋ぎ、CHARAの名曲「やさしい気持ち」高木さんカバーがEDで流れ大満足のお話でした。手を繋ごう♪ですよ。

 

手を繋ぐってのは原作でも結構ピックアップされてました。

 

今日、手つないで帰ろっか。(2巻「腕ずもう」)

 

原作ではじめて手を繋ごうネタが炸裂したのは2巻「腕ずもう」。腕相撲勝負の最中のからかいでしたが、それ以降も頻繁にこのネタでからかってくるようになります。

 

特に顕著だったのはアニメでもあった(シャッフルされた)8巻「氷」「水切り」から比べれば西片の成長が半端ない。

手をつなごう

8巻「氷」

 

ミス!西片は恥かしくて罰ゲームができない!

 

氷運び勝負で「負けた方が勝った方の手をあったかくする」って条件で氷割っちゃった西片。罰ゲームを実行しようとするも恥ずかしくて高木さんの手が握れなかった。まあ、高木さんはカイロ頂戴ってオチつけてました…。

 

西片は恥かしくて高木さんの手をつなげない!

 

といっても作中では何度か手をつないでるんですけどね(ノーカンだけど)。

 

8巻「水切り」

 

手を繋いでくれたら西片の勝ちでいいって勝負は恥かしくて出来ないので「水切り」勝負を仕掛けるもやっぱり掌の上。そこで偶然高木さんを突き落としそうになったら手を繋いで救出しました。

 

高木さんの「手、つないだよねさっき」という問いにああいうのは手を繋いだとは言わないのでノーカンとなりました(おかげで最初の提案の西片の勝ちにもならなかった)。

 

12巻「握力のやつ」では、握力鍛えるやつ(ハンドグリップ)を高木さんに見せびらかそうと(←子供か!)するも大して羨ましがられず、ひたすらハンドグリップを握るハメになりました。そこで高木さんは握力勝負を挑んできたのです!

 

12巻「握力のやつ」

 

「「ん?」」

 

そう!高木さんが手を差し出したのは単純に握力のやつ(ハンドグリップ)貸してって意味だったのに、西片が勝手に握力勝負と勘違いして手を握る結果になったのである。「手、握りたかったのかな?」「ち…違うから」がとにかくエモい。

 

他にも神社まで道路を踏まない(なにかを触ってる時はOK)ってルールの願掛けでは、神社前の工事が終わって看板が無く、高木さんの手を握ることでルールクリアもしました。

 

13巻「願掛け」

 

他にも同時に本を取ろうとして増え合ったり、叩いて被ってじゃんけんぽんで触れたり(あえて先回りお手付きで西片から手を触れさせる策士高木さんも素晴らしい)と、風邪引いた時の看病時など、何度も手を触れてる。いやもう手を繋いでるレベル。

 

だから夏祭りではぐれないように手を繋ごうって「言い訳」があれば、鍛えられ成長した西片は普通に手を握れる(アニメみたいなドラマチックにしないところが逆に手繋ぎエピソード重ねただけある)。

 

「はぐれないように手でもつないどく?」

「じゃあ…」(20巻「夏祭り」)

 

西片△□×(さんかっけー死角無し)

 

何度も手を触れて手を繋いできた西片にとってはもう「○○」だからって言い訳あれば手に触れられる。手を握れる。はぐれないように手をつなげるように成長した男である。

 

ただあくまで言い訳有りならば…って条件付き。

高木さんが真に求めるのはもうワンステージ上ですからね。

手をつないで

手をつないで帰ろう。(17巻「誠実さ」)

 

おっと!西片選手!やっぱり恥ずかしい!

 

「○○」だからって言い訳せずに手をつなぐこと。もっと言えば手をつなぎながらの登下校。いくら成長した西片でも流石にこれは恥かしさMAXなので出来ません。

 

1回それっぽいことをした事があります。西片に触って欲しかいとか手を繋いでほしいアピールに余念がない高木さんだからこそ、19巻「タッチ」は個人的なベストエピソードでもあった。

 

19巻「タッチ」

 

触れる兵器だしできると実行した西片である(この時の高木さんは照れるとか驚くを超越して良い意味で間抜け顔になるぐらいの「まさか」だった)。そんな触れてきた手を高木さんは「きゅっ」と握ったのです。

 

一瞬だけでは判定できないからってちょっと手を繋いだ状態で過ごしたのでした。一瞬!だけど閃光のように!手つなぎして歩いた2人。極上エピソードすぎる。

 

最終回はこんな2人の「手をつなぐ」に関する紆余曲折があったからこそ、なんか泣きそうになっちゃったよ。いや号泣しちゃったよ。

 

「私たちが付き合ってから初めての登校だけど、なんかいつも通りって感じだね。」

「まあ、いつも一緒に登校してたしね」

高木さんの手「つんつん」

西片の手「間がありつつ迷いなく手を繋ぐ」

 

晴れてカップルになった2人がはじめての登校シーン。それはいつもと変わらなかった。もともと一緒に並んで登下校してるのは同じです。買わないのか?答えはノーです。

 

変わらないようにみせかけてからの、高木さんが西片の手に人差し指でちょこんと突いて、西片の方から手を握る描写が控えめに言って神でした。

 

この時の2人の表情は一切描かれて無いんですけど、もうこれまで散々手をつないで欲しい高木さんがイタズラっぽく微笑み、何度もうやりそうになって恥ずかしくて出来なかった西方を見てただけに、手の動きだけで2人の表情が想像できちゃうんですよ。

 

西片はこんな表情しながら手を握ったんやろな

 

恥ずかしいって赤面してる西片が、もう「○○だから」って条件も言い訳も無しでついに高木さんの手を握ったのです。感無量すぎる!

高木さん構文(オチ)だった

ネットミームで「○○構文」という言い方がある。最近の流行りはサンデー作品なら『葬送のフリーレン』の「フリーレン様構文」「勇者ヒンメル構文」でしょう。つまり定番ってやつです。

 

これと同様なのが『からかい上手の高木さん』にもある。水戸黄門の「この印籠が目に入らんか!」みたいな安心安定のお約束なのです。それが2人並んで後ろ姿オチです。

 

もはや高木さん構文である

 

なんのかんので2人並んで、左に西片で右に高木さんってのがこの漫画のオチで最も多い。それは西片から見て右隣の席が高木さんで、お約束のように西片がからかわれ高木さんが勝利する2人が並んでる姿が顕著だから。

 

この漫画で最も印象に残るシーンなら、ほとんどの読者がサブリミナル効果で左西片・右高木さんの後ろ姿ってなる。それぐらい多い、この漫画のお約束のシーンである。

 

だからこそ、この後ろ姿は「いつも通り」のお約束であり、いつもと違ってちゃんと進んだ関係を現すにこれ以上ないものだったわけです。

 

いつもの後ろ姿…なのにいつもと違う

 

『からかい上手の高木さん』はいわゆる日常漫画に分類されるでしょう。その美学とはいつもと同じ日常のこそばゆい…くすぐったい思春期の恋するアオハルが摂取できた。

 

でも最終回のアレは、いつもの見慣れた2人の後ろ姿だけど「もう絶対二度と過去には戻らない形でのいつもの後ろ姿」を表現した究極でした。いつもの高木さん構文(オチ)でも手を繋いでた。

 

これから2人が並んで歩く上で、高木さんは手を繋がないことなど許さないだろう。いつもの見慣れたものだけど、今後はこの手を繋いだ後ろ姿の並びこそジャスティス。変わらない2人でも明確に変わったことを現した「いつも通り」でした。

 

だからこそCHARA名曲(高木さんカバー)「やさしい気持ち」の真の意味がギュギュっと詰まってた。

 

手をつなごう♪←アニメも原作も見事にやりまくった

手をずっとこうしてたいの♪←ずっと最後の後ろ姿やで!

 

描き下しのさらなるラストは恋人繋ぎまで行ってただけにね。色んな葛藤と恋の駆け引きがあって、結ばれて、手をつなぐ物語だったし、ずっとこうしていたい物語だったと総括することができる。いつも通り並んでるけど、手をつないでる2人になったラブコメでした。尊い…。

 

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