『僕と君の大切な話』(ろびこ)7巻を読了しました。
これが最終巻です。見事な大団円でした。良いラブコメやったで!
同じ学年の東くんに片想いしてきた相沢のぞみ。告白に超斜め上の返事をされてからも、めげずに駅のホーム、中庭、部室、喫茶店、図書室と、沢山の会話を続けて次第に東くんと仲良くなり、ついについに東くんから告白される。だけど、なぜだか付き合うのは待ってほしいと言われてしまって? 笑いもニヤニヤも”恋も”止まらない! すれ違う男女の新感覚”トーキング”ラブコメディー、完結の第7巻!
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『僕と君の大切な話』7巻
グルグルのノリである
32話「宇宙戦争」
6巻ラストで東に「相澤さんのことが好きです」と告白されたのぞみんの反応である。なんですかこの「ドドドドドド」「わっせっわっせっ」って擬音と宇宙の背景は!
少女漫画なんだから、その次のメス顔を見開きにすべきとこをあえてね。謎の宇宙的衝撃が見開きになっています。そのセンスがすごい。
『僕と君の大切な話』は少女漫画なのに良い意味で全然少女漫画らしくないのがミソなり。普通に男性が読んでも楽しめるラブコメのようなニヤリングと雰囲気なのです。まさに男でも面白い少女漫画ってやつです。
おそらく、作者のろびこ先生は『グルグル』が大好きなので、それと同じノリだよなぁと。少女漫画で「ダイコン!」とか「フンドシ!」とか脈絡なくブチ込む衛藤ヒロユキイズムよ。最高だぜ!
のぞみん可愛い
キューン
はい!可愛い!
衛藤ヒロユキイズムのあるギャグもええけど、なんだかんだで正統派少女漫画というかラブコメの旨味もギュギュッと詰まっています。7巻ものぞみんは天下一品の可愛さを叩き出していました。
少し…いやかなり天然入ってるのぞみんだからこそ、「ここぞ!」の赤面が破壊力を倍増させてくれます。ドドドドドキッ!なんという惚れ惚れするメス顔!まさに必殺級である。
あとやっぱのぞみんの魅力はスマイルだよね。
嬉しそうにしてる笑顔も良いけど、ここぞで東を見守るナチュラル笑顔の破壊力がすごい。
さすがはストーカーまがいのことしてただけあるね。「見守る」ことに定評のあるヒロインです(褒めてます)。「東を見てる=可愛い」が成立する絶妙な塩梅でした。あとね。のぞみんはドキッとするような大人っぽい表情をたまにするのも最高。
メイン2人だけじゃないぜ
33話「相談男、再び」
はい!可愛い!
こと赤面に関してはメインヒロインであるのぞみんを食ってしまっていたのがはまりんである。まるで瞬間湯沸かし器のようにすぐに沸騰してしまうのです。
「赤面」の量が多いからといって、その一つ一つの品質も文句なしである。「赤面&混乱」のコンボが織りなすはまりんの乙女っぷりに自然と頬が緩んでニヨニヨしてしまうのです。クオリティ高い乙女でした。
はまりんの恋模様だけでなく、『僕と君の大切な話』のエモいところは、わちゃわちゃ感でもある。のぞみんと東を中心にした脇役たちの「わー!わー!」「きゃきゃ」っぷりよ。人コレを青春群像劇と呼ぶ。
脇役たちですらメイン級
東のクラスメイトの女豹3人が喧嘩して仲直りするってだけの話すらめちゃくちゃ面白い。画面狭しと個性的なキャラたちが暴れまわってワイワイするだけでたまらんぞい。
前作『となりの怪物くん』もそうだけど、賑やかに楽しそうにしてるのが本当に生き生きとしてて読んでて青春という名の光を思い出す。もうね。至高のワイワイガヤガヤなのでーす。
惜しむらくは、東の叔母にあたる…動くフェロモン3人集の活躍がもっと見たかった。ただの脇役なのに、魅力的すぎるんだよなぁ。えちえちなんだよなぁ。
表紙がええな!
こうして見ると単行本の表紙は1~3巻まではのぞみんが一方的に東を見ているだけだったのが、4巻で東が意識して5巻は東がのぞみんを一方的に見てる。そして6巻で両者が目を合わせて、7巻では隣の席に自然と座ると。
なんだかんでいって、この2人はベンチからはじまったわけですしおすし。ベンチで終わるってのは『僕と君の大切な話』らしさでもあります。
ベンチののぞみんと東。これ究極なり。
1話を踏襲した35話
35話「僕と君の大切な話」
どうして女は…恋愛が好きなのかな。古今東西少女漫画は恋愛ものだ。なぜ、誰が好きかで一喜一憂できるんだ。まるで世界を揺るがす大事件みたいに
…それを言うなら男の子の漫画はいつだって強さ比べだわ。誰が誰に勝ったからなんだというの。この現代社会で強さを比べてなんになるの。どうしてそんなにトーナメントが好きなの
デジャブである。
このお互いが少年漫画と少女漫画をDISる展開。
見たことある。見たことあるぞー!
そう。このやり取りは2人のはじまりである1話だ。シチュエーションも場所も同じだ。ただし、座る位置が逆だがな。
1話「これから大切な話をします」
どうして男は…戦いが好きなの。…この間、弟の漫画を読んだのだけど、どれもこれも戦ってばかりだったわ。一つの戦いが終わったと思ったら人間的成長があるわけでもなく、また次の戦い…。なぜ男は戦うの。その先に何があるの。手からビームが出てなんだというの
…それを言ったら少女漫画だって似たようなものじゃないか。古今東西男女の色恋沙汰だ。なぜ冴えない主人公に2人の男が言いよるんだ。男も女も狭い範囲で付き合いすぎだろ。彼がトラウマを乗り越えたからなんだというのか
こんな1話と逆パターンのエモエモなやり取りをするのが35話「僕と君の大切な話」なのです。1話のサブタイだった「これから大切な話をします」を考えると「大切な話=告白」ってことなのかなぁと。
1話を彷彿させる含みを持たせて、かつ漫画のタイトルでもある「僕と君の大切な話」。同じ場所で同じシチュエーションで大切な話をした。エモすぎるんだ。震えたね。それを東が書き上げた小説のタイトルにするってのもえんもー☆
お互いが少年漫画と少女漫画の王道をDISり合う。突き詰めれば価値観の違いですね。違う星の人間です。だ・け・ど!同じ星にいたって比喩の最終回もええのう。
もっと突き詰めると、1話と35話って右にいる方が告ってるんですよね。ジャパニーズ漫画の「右から左に読む」通りです。「左←(行動する)右」である。1話では右にいたのぞみんが告白して左にいた東が受けた。35話は逆。
右の者が動き、左の物が受ける
1話と35話
右にいるキャラが行動する。
左にいるキャラがそれを受けとめる。
この配置こそ『僕と君の大切な話』の再重要案件(のような気がする)。
告白する方は絶対に右にいたわけです。それを受ける方は絶対に左にいたわけです。最終回「それから、これから」のベンチの肩寄せイチャイチャもそう。右ののぞみんからでした。
それを踏まえるとラストは意味深すぎるんですよね。左にいた東からキスしそうになるんだけど、そこから瞬間写真のごとく連続して2人のアクションが描かれるんだけど、東はキスしそうになったところから微動だに動いてねぇ!
寸止めで微動だに動かぬ左の東の図
なに笑ってんねん!
「左←(行動する)右」を一貫して描いてきてただけにね。これはつまり…東がことを起こしたように見せて、直前でまったく動かず止まってしまっている描写はそういうことなんでしょうか。「あっっ、チューした」した側は…?色んな深読み&裏読みできるな。名作!
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コメント
「わっせっわっせっ」ワロタwww
よい終わりだったが、姉四姉妹がほとんど出てこなかったのは残念