今週のサンデー(2024年8号)巻頭コメントは「スマホのアプリで連絡ツール以外によく使うものはなんですか?」という質問でした。山田鐘人先生は以下のようにコメントしてました。
スマホを持っていないので特にないです。(山田)
今の時代スマホ持ってないのかよ!ガラケーなの?
あまり表に出てこない山田鐘人先生は『神のみぞ知るセカイ』の若木民樹先生の元アシなのですが、そこでも変人(?)エピソードがあって良い意味で変な人なのかなと思うなど。
山田くんは一切仕事場でも話さず(震災の時すら話さない)、心のなかでひたすら人を驚かせることを考えてる、テロリスト(おい!)みたいな男なのですが、そのアイデア爆弾の力を生かすためにも短いページの作品が良いと常々思っていた。(HoneyDippedより)
さて、今回の『葬送のフリーレン』も日常っぽい箸休めエピソードありつつエモさがギュギュっとつまってました。
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帝国が衰退してる
『葬送のフリーレン』122話:ティタン城塞
前回に続いて帝国の軍事力が衰退してるエピソード。魔王軍との戦争の時に使われた難攻不落のティタン城塞。武闘派で知られるアルメー伯が治めてたようですが、没落して爵位も領地も失ってしまったそうな。
「祖父は戦の才はありましたが政争には疎かったのです」というのが没落原因らしい。現在進行形で「北の果て」の戦線がヤバイだけでなく、魔王討伐後に平和になった後の貴族間の政争も治安悪化してる事に関係してるのかも。
それにしても元貴族のアルメーは良いキャラしてる。上半身裸の初登場、寝技で魔族を倒し、上半身裸は趣味で無かったというインパクト。普通にフリーレン様パーティに馴染んでる(役立ってる)のがただ者でないと思いました。一発キャラなのがもったいないぐらい。
「体がポカポカする魔法」
私がいつも使っている〝体がポカポカする魔法〟の使い方の書かれたメモくらいなら…(122話)
今回の依頼はティタン城塞跡に残されたアルメー家の隠し財宝を回収したいので手伝って欲しいというもの。城塞内には大量も魔物が出現します。
報酬は財宝の半分を提案されるもフリーレン様は嫌そう(路銀に困ることもあったので少しは貰っとけばという気もしますが)。そして「体がポカポカする魔法」にめちゃくちゃ食いつくのでした。
フリーレン様のいつもの変な魔法収集の趣味かと思ったら、実はめちゃくちゃ意味があったという。直接明言されたわけでないのですが、「体がポカポカする魔法」というのは大魔法使いフランメが残したものっぽいのです。
師匠フランメが残したもの
・残してもらった物は出来る限り受け取ったほうがいい。
・私にとってはあの程度じゃない。(122話)
「体がポカポカする魔法」なんて報酬程度で命を懸けるものじゃないというアルメーに対して、フリーレン様は「私にとってはあの程度じゃない」と大事なものである事が伺えるやり取りです。
フランメは百以上の魔法理論を見つけてました。老いて亡くなったとしてもフランメが残した理論は後世で多くの魔法を生み出すことを予言。それがフリーレン様に残したものなのです。
(百以上の魔法理論見つけた)それが私が魔法使いとして生きてきた証だ。老いて死んだとしても私の理論が多くの魔法を生み出す。私が魔法を学んだ意味は、お前が身を以って体験するだろうさ。お前が一生かけても学びきれないほどの魔法を、この世界に残してやるって言ってるんだ。(122話)
えんもー☆
フランメのやってること、勇者ヒンメルがフリーレン様がひとりにしないために沢山の像残したのと同じやんけ。それでいておとぎ話でなく確かに実在した証として…。
地下の隠し財宝を見つけ、領地も爵位も失ったアルメー家が存在した証のように、「体がポカポカする魔法」もフランメが実在した証である。その収集を楽しむフリーレン様よ。未来で一人ぼっちにならないようなエモエモな愛がありますな。
より深読みできる件
今回のエピソードによって、フリーレン様が変な魔法集めてるのは、実はフランメが残した生きた証を集めてる説も出来るようになった。
「民間魔法。温かいお茶が出てくる魔法だって。あとで実験しよう」
「この前は銅像の錆を綺麗に取る魔法。それまたまえは甘い葡萄を酸っぱい葡萄に変える魔法。」(3話)
フリーレン様は変な民間魔法・魔導書ばっか集めてる。
以下の攻撃でない魔法(中二病的カタカナ無し)を習得してます。
- 温かいお茶が出る魔法
- 銅像の錆を綺麗に取る魔法
- 甘い葡萄を酸っぱい葡萄に変える魔法
- 服が透けて見える魔法(魔導書有り)
- かき氷を出す魔法
- 底なし沼から引っこ抜く魔法
- 失くした装飾品を探す魔法
- カビを消滅させる魔法
- しつこい油汚れを取る魔法
- 鳥を捕まえる魔法
フリーレン様はフランメからは「花を出す魔法」以外は戦いのことしか教わっていません。
結局 私はお前に戦いのことしか教えなかった。復讐のための魔法だ。(22話)
役に立たない(中には役立つものもある)変な魔法を集めるのが趣味ってのは、フランメが見つけた百以上の理論があったからこそ、死後に生み出された魔法の可能性が微レ存。フリーレン様が一生かけても学びきれない魔法になった(のかもしれない)。えんもー☆
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コメント
フランメは人類の魔法の開祖とまで言われてるわけだから、「体がポカポカする魔法」みたいな特定の魔法を指して「フランメが残したもの」だと言ってるわけではなく、「現存する魔法の大半がフランメ理論を元に生み出されてるから全部フランメの遺産」だという話なのでは。
そう、そういうことかと。
現代学問風に言えば「魔法学概論」とか「理論魔法学」とか
言いそうな、概念論とか総論としての魔法論だと思う
そもそもフリーレン世界の魔法って他のファンタジー世界の
魔法とは違ってて、何つーか意思未来みたいな力のエネルギー
なんだよね。
炎を出して熱エネルギーで傷害力を確保したり、石ぶつけたり
する魔法もあるけど、「人を殺す」という意思のエネルギーを
ぶつけたり、「物を切り刻む」という意思エネルギーみたいな、
魔法エネルギーそのものが人(魔物・魔族含む)の意思・意識の
力を増幅化させて人・物に発射させて実現力を確保してる感じ
炎や風という媒体で間接的に攻撃したり影響与えたりしてる感じじゃない