ジャンプの乳首史の続きです。
92年の途中まで描かれた乳首の霊圧が消えてしまった。
ジャンプはお色気作品含めて「いかに乳首を隠すか」が発展したのが90年代だった(と思う)。髪の毛や湯気や服やオブジェで絶妙なタイミングで乳首が描かれないお色気シーンである。
戦争で科学技術が発展したとか、ナチスドイツがコーラ輸入できなくなったてファンタを生み出し広がったとか…そんな感じでジャンプもきちんとした乳首描かずに乳首無きお色気シーンが発展したのです。
余談ですが乳首をゲームのコントローラーにした道元宗紀先生の読切『いちごちゃんストロベリー』は今なお語り継がれるレベル。
90年代で発展したいかに乳首隠すか
乳首隠しの伝説といえば『地獄先生ぬ〜べ〜』です。
『地獄先生ぬ〜べ〜』55話
天才の仕事だ!!
乳首と局部をジャンプマークで隠す発想に脱帽するのみですです。さらに作者である岡野剛先生がツイッターでジャンプのエロ描写について貴重な証言をしてます。
私が初めていわゆる「規制」を受けたのは、ぬ〜べ〜の「てけてけ」の回。鎖に巻かれた女の子のティクビを描いたら、担当にすっげー怒られて…「え、描いちゃいけないの?」ってびっくりしたものでした。私が子供の頃に読んでたマンガでは、児童誌ですら普通に描いてあったから…
— 岡野剛@眠鬼フィギュア23年4月発売! (@Takeshi_Okano) September 2, 2014
とりあえず局部はダメ、ということがわかったので、それからはジャンプマークを貼るようにしました。これに関しては、全く文句を言われませんでした。それどころか、すごいアイディアだ!と褒められたくらいで。…今考えるとブランドロゴに対するヒドい冒涜だという気もしますが…
— 岡野剛@眠鬼フィギュア23年4月発売! (@Takeshi_Okano) September 2, 2014
貴重なジャンプ本誌で乳首を描こうとしてNG食らったという証言である。「てけてけの怪の巻き」は本来なら乳首描写があったはずなのに修正したのか。
乳首NGが出たそうな
「てけてけの怪の巻き」(17話)は1993年発売の「1994年2号」に掲載されたので、1993年にジャンプ本誌で乳首禁止令が出てた事が分かる。
やはりジャンプ本誌の乳首転換期は1992年かな。途中まで乳首OKだったがNGになってしまった事が伺える。1993年には乳首NGになってる。
とはいえその後もジャンプ作家の乳首にかける情熱は高く徐々にしっかりしたものでないが乳首が描かれる。
形が見える乳首を描いた『ダイの大冒険』
『ダイの大冒険』(1986年~1996年)は序盤・中盤は一切乳首描写はありませんが、終盤の実中ドール獲得の着替えと大魔王バーン戦では形が描写された乳首が描かれました。
形は見える
しっかりトーンが張られたマジもん乳首描写ではないが、形だけはしっかり確認できます。1992年以前から連載してたのに乳首禁止令が出た(と推測される)後に乳首の形を描いたのでした。形状見える乳首の代表例でしょう。
帰ってきた乳首『アイズ』
乳首NGのジャンプに乳首が帰ってきたのは桂正和先生の『I”s<アイズ>』(1997年~2000年)です。
ジャンプの乳首堂々の帰還である
なぜジャンプで乳首OKになったのかは分かりませんが、流石はオレたちの桂正和先生ですよ。『I”s<アイズ>』では数々の名乳首を見せてくれて少年たちの胸も下半身も熱くつさせてくれたのでした。
『I”s<アイズ>』が5年振りのマジ乳首であり、ジャンプ本誌のラスト乳首にもなってます(多分)。つまり、ジャンプのラスト乳首は一貴の妄想の中の麻生さん(くまさんパンツの女子大生)なのです。
またジャンプ掲載時ではほとんどトーンが無かったのですが(形はくっきり)、単行本でトーンが貼られ詳細な乳首が描かれるという今で言うジャンプ漫画は単行本で乳首収録の走りのような存在でした。
- 1992年まで乳首描写OK
- 1992年途中から乳首描写NG
- 1997~2000年『アイズ』で乳首描写復活
というのがジャンプ乳首史かなと。
『アイズ』のおかげで乳首解禁時代
『アイズ』のおかげでこの一時期ジャンプで乳首解禁してた。最も代表的なのは1997年から8年振りに月一連載で帰ってきた『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』(最終章「背徳の掟」)でしょう。
『BASTARD!!』は顔射とかヤバイ描写たくさんでしたのでジャンプのエチエチ描写のトップかもしれない。乳首もジャンプ本誌にばっちり掲載!
余談ですがジャンプ本誌では「見せられないよ(禁)」と黒塗りしてたシーン(単行本では見れる)よりも普通に掲載してたシーンの方がドスケベだったのはある意味伝説です。
そして、この時期のジャンプ本誌乳首券で『アイズ』が導火線になったと言える顕著なものは『BØY』(1992年~1999年)です。
『BOY』は序盤も中盤もえちえちシーンはあるものの乳首の「ち」の字すら描かれる雰囲気がなかったのに『アイズ』が乳首出してから、終盤の終盤で乳首券を発行させるようになったのです。
終盤は乳首を描く
山奈みちるの乳首も良かったが、惜しむべきはもう少し早く『アイズ』が連載してたら、私が大好きだったサロンで日焼けした褐色コギャル(今の若い子には何のこっちゃである)ナオミの乳首が見えた世界線があったかもしれないことです。
ノーパンでファイトして尻もあそこ(ダキューン!)も御開帳だったが、乳首だけが足りなかった。
くっ!『アイズ』がジャンプで乳首ハルマゲドンを起こすのがもう少し早ければナオミの乳首も見れたかもしれないのに!
乳首無き時代の息吹(プリティフェイス)
『アイズ』で蘇った乳首描写であるが、再び消えてしまった。ジャンプ掲載で乳首が描かれないのは現在にも続いてる。
だ・け・ど!
ジャンプ本誌で乳首消えど乳首の魂までは消えない。
ジャンプの乳首とは「Dの意志」のようなものなのです。乳首を絶てど乳首の炎が消えることはない!そうやって遠い昔から脈々と受け継がれてきたのです。
それが『プリティフェイス』(2002年~2003年)である!
この漫画は短命連載ながら現在のジャンプお色気コミックスの基盤を築いた歴史的な漫画である。それが「コミックスでは乳首が収録されてるよ☆」ですよ!
ジャンプ本誌掲載時では乳首描写は一切無いのだが、単行本を買うとあら不思議!雑誌掲載では無かったはずの乳首が描き足されてるのです。
『アイズ』の単行本でトーンを張ってより詳細にさせた以上のギャップですね。
単行本には乳首があるぞ!
まあ、最初の乳首サプライズは男の由奈(乱堂)の作り物の偽乳に乳首が描写されるという、「うおおおおお!」と喜んでいいのか微妙なものでしたが、途中からちゃんと本物メス乳首を単行本で収録するようになって今なお続く伝説を作ったのです。
- ジャンプ掲載時には乳首は無い!
- 単行本では乳首が描写されてる!
令和の現在にも続くフォーマットが完成したのであった。
「Dの意志」ならぬ「T(乳首)の意志」は血縁(ジャンプ本誌描写)が絶たれも炎が消えること無く受け継がれたのです。遠い昔から脈々と受け継がれてきた!そして未来…いつの日か、その数年分の歴史を全て背負って、このジャンプ乳首史に戦いを挑む者が現れる!
『To LOVEる』というレジェンド
ジャンプのお色気漫画史においても乳首描写史においても『とらぶる』はレジェンドです。ジャンプ本誌で乳首が隠されてるのに単行本では卍解させるって事を定着させたのである。
単行本では乳首があるぞ!
ジャンプ漫画の単行本で乳首描写有りを完成させたのが『To LOVEる』です。とらぶるの乳首を単行本でプラスさせる手法の影響力は凄まじく、先人作品(リボーンまで触発されたのは衝撃)も後発作品も「単行本で乳首を描く!」を定着して決定づけたのでした。
『アイズ』で形だけ(ジャンプ掲載時にガチ乳首もあるけど)描いて単行本でトーン付いてクオリティ高い乳首になってる…という「乳首は単行本で!」は、『プレイティフェイス』が基盤を完成させ、『とらぶる』がメジャーに定着させたのでした。
また、とらぶるは先人を踏襲してるだけでなく、ここぞで希少価値の高かったお色気シーンの乳首プラを、ほぼ毎話やってのけたってのも歴史的快挙です。
ジャンプ掲載時では「ここは乳首が単行本で加わるな!」って楽しみ方まで提示してくれました。現在連載中『あやかしランブル』(途中からジャンプ+に移った)でも変わらない単行本で乳首ファンタジーである。
紙で透け乳首
ジャンプでモロ乳首はアイズ時代の終焉で潰えた。
されど単行本で乳首修正を施す作品も増えた。
事実上、ジャンプ本誌で乳首をそのまんま掲載は潰えたままですが、アイデアで復活させた作品もある。それが『ゆらぎ荘の幽奈さん』です。
紙ジャンプでカラー掲載時にタピオカを裏面で絶妙な位置に配置して透けさせると乳首になるというウルトラQをやってのけたのであった。
『ゆらぎ荘の幽奈さん』自体、単行本収録時には乳首がプラスされるて『とらぶる』が固めたシステムを受け継ぐ作品でもありました。ジャンプ掲載時には乳首は無いがコミックスで乳首が見れるの典型作品。
ジャンプ本誌の紙版で透け乳首をやってのけたのは今でも語り継ぐべき最高の表現方法です。幽奈さんはガチで普通に名作なので必読ですぞ!
ジャンプ乳首史まとめ
そんなこんなで週刊少年ジャンプの乳首史でした。
1992年までは乳首OKだったが駄目になってからの数年は絶妙に隠された乳首描写が発展して、形だけ&トーンだけの乳首もある。ジャンプ本誌に乳首を復活させたのは『アイズ』であり、アイズ掲載時期はプチ乳首祭りが起きた。
その後はジャンプ本誌に乳首モロ描写は無いものの、単行本で乳首が流行り現在に至ってる。まだジャンプ乳首魂は死んでない!
ジャンプの乳首は少年の夢そのものです。
人(少年)の夢(乳首)は終わらねぇ!
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コメント
元旦早々なんだこの熱量の高い記事は!けしからん!もっとやれ!
今年もよろしくお願いします
すごい記事だ…
ブルマには何回お世話になったことか…
しかしこれはとんでも無く貴重な記録だ。
幽奈さんの、カラー裏のタピオカが不自然すぎて、仕掛けに気づいた時には笑っちゃったね。天才の所業だったわ。
TVアニメでも、90年代前半までは自然に乳首が出ていたのに、後半からは全く出なくなったと記憶している(映画アニメは有り、当時の深夜アニメは知らない)
今日、冨樫義博展に行きまして、幽☆遊☆白書の軀の顔出し時の(上裸の)原画があったのですが、
なんと乳首が描かれた後にホワイトで消されており、笑いました。
この記事を見ていたおかげか、時代性を考えながら感慨に耽ることができました!ありがとうございます!
気になって図録見てみたら、その通りホワイトの痕跡あって笑った
資料的価値の高い記事だなー
89年の宮崎勤事件の影響で90年代初頭から有害コミック運動が始まって性描写があからさまに規制されたのを覚えている。
92年まで乳首が描かれていたということはジャンプ編集部は結構長い間頑張ってたんだな
1991年の沙織事件がトドメの原因である。
これにより18歳未満向けのコンテンツでの性的表現を一段と抑えるように様になった。
尾田先生が「乳首描かせなきゃワンピの連載辞める」と言えば一発じゃね?
なんだこれ、アホらし(満面の笑み)。
ヤマカムさんらしい
とても素晴らしい記事でしたね