『かくしごと』2017年1月号分
早いもので『かくしごと』も1周年です。おめでとうございます。
それにしてもね。もう1年経ったのか…。ウソだろ。20代よりもさらに1年経つのが早く感じるのは年のせいですかね。年を取ると同じ1年でも早く感じてしまうそうですからね。なんという体感時間なのか。銀の時差ですよ!
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今回のお話しは初の続きもの。
基本1話完結の『かくしごと』ではめずらしいですが、サイン会と姫ちゃんと「キッザニラ」(※リアル世界のキッザニア) へ一緒に行く約束をしていたのであった。果てしてかくしはキッザニラとサイン会を両立できるのか?というのが前回の引き。
で、サイン会の場所はキッザラニアに近くだったので、上手い具合(?)になんとか立ち回るのでした。子供の職業体験なので大人は入れず、姫ちゃんが楽しんでる間にサイン会をこなすのでした。
今月の『かくしごと』
今月の収録内容は以下のようなもの。
第14号「すすめ!!隊列」
第15号「設定過剰チルドレン」
第16号「逆境ナイン」
第17号「サクラのオタ」
第18号「会場はヒドイ様!」
見事な言葉遊びとサブタイトルっぷり。
それぞれ『すすめ!!パイレーツ』(江口寿史)、『絶対可憐チルドレン』(椎名高志)、『逆境ナイン』(島本和彦)、『サクラノ詩?』(美少女ゲーム)、『会長はメイド様!』(藤原ヒロ)でしょうか。「サクラのオタ」はちょっと自信無いけど。
今回のお話しはサイン会。
今年の久米田先生は『かくしごと』1巻発売を記念して初の単独サイン会を行うなど、色々と活発でしたからね。ご自身の経験を踏まえてのサイン会ネタをおもしろおかしくギャグに仕上げている内容となっております。
ツイッターなどでは漫画家さんがサイン会をやる時に「誰も来なかったらどうしよう…」と心配する呟きをけっこう見かけるんですよね。久米田先生も同じ心境だったかは分かりませんが、かくしは誰も来ないと超ネガティブブルー。
ネガティブなかくし
かくしのネガっぷり。さすがは久米田先生の分身(?)よ。今日も強く逞しく下を向いて堂々と生きていますね。サイン会に来る人をサクラだアルバイトだと決めつけてしまいます。
それでいてサイン会へやってきたファンと会話が表面上成立してて、実際には全く成り立っていないのがまたおかしい。「(サイン会に来てるの)アルバイトでしょ?」「(職業が)アルバイトです」といった感じで。『かくしごと』はこういう会話が表面上では成立(実際は成立してない)を巧みに使います。
「クスクス」笑えるショートコメディこそ『かくしごと』の特長よ。それでいて、ちょっと良い話にまとめてしまうってんだから、久米田先生の集大成で最高傑作なのではないかと思ってしまう。
いつもは姫ちゃんを使って良い話だったなーってやるんですが、今回はファンとの交流で温かいエピソードに仕上がってました(オチはあるけど)。作家とファンの交流であるサイン会の本質を描いたともいえます。実に良いね。
かくしがサイン会をしてる間はアシスタントが姫ちゃんを見守ります。
そのアシスタントもなかなかどうして。面白かったです。
アシスタント
姫ちゃんを見守ってる芥子くんが保護者ラウンジで見ず知らずの親御さんに話し掛け、「他人の子を見てるだけなんて不審者と思われる!」と咄嗟に姫ちゃんの父親とウソをついてズルズルとウソにウソを重ねていくのであった。
芥子くんには「ひとつの嘘を通すためには、多くの嘘を工夫しなければならない」(byジョナサン・スウィフト)という言葉を送りたいですね。そんなわけで姫ちゃんの父親とウソをついて芥子くんのせいでロックすぎる設定が色々と盛られてしまうのであった。
アシたちのキャラが立ってきたからこそですが会話の漫才応酬だけで楽しめるようになってきました。
漫画家マンガとしても面白い
漫画家マンガです
サイン会での裏側をズバリ描きます(どこまで本当かは分かりませんけど)。
「サイン会のリアル」では色々と語られます。書店員が気を遣うこと。人気作家でも悪天候や大きなイベントが重なると盛況にならないこともある。抽選しても来る保証は無く、当選者のお母さんが来たなど。
また、サイン会では転売防止のために必ず「宛名」を入れるんだそうです。
サイン会は時間との勝負なので入れるキャラクターは1人1体とか。
このようにサイン会の裏側にスポットを当てたリアル漫画家マンガでもあります。久米田先生の実体験のためか妙にリアルでもあります。
意味深なシーン
大芸術家
かくしがある芸術家の日本画を見てたら、芥子くんに「日本画の超大家」と聞いてそんなにすごい奴なんだとはじめて知った様子。しかも、かくしの家にこの超大家の作品が一枚あるようです。かくしとどういう関係なんでしょう。前回ランドセルを送った人なのかなぁ…。
詳細不明なので何とも言えませんが、「日本画の超大家」とかくしは何か関係がありそうです。これが姫ちゃんとも繋がりそうではある。節々に父娘に関係ありそうなあれこれを入れてくるから『かくしごと』は侮れない。
本当にこの父娘は何かありそうです。
小気味良いギャグと温かいエピソードに加えて、父娘には何かあるんではなかいという描写がたまりません。続きや真相が気になってしまう。次回も楽しみ。あ、姫ちゃんは相変わらず可愛かったです。まる。
月刊少年マガジン 2017年1月号 [2016年12月6日発売] [雑誌]
コメント
久米田先生のサイン会に行く機会があったので行って来ましたが、先生がこんな事考えていたのかと思ったら面白かったです。
先日の名古屋のサイン会ではキャスバルさんが来てたそうです。
サクラのオタは安達哲のさくらの唄だと思う
久米田先生のサイン会の外でキャスバルさんのサイン会が開かれてたのは草生えた