『かくしごと』12巻読了。これが最終巻です。
感想を一言で述べれば「めがっさ感動した」です。久米田先生自信を題材にした漫画家マンガとしても父娘の家族ものとしても素晴らしい。ラストに向けて張り巡らされた伏線もキレイに回収されて流石は畳職人と唸る。
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『かくしごと』12巻
アニメは抑えておいたほうがいい
『かくしごと』は原作漫画だけでも笑えて泣けてほのぼのできる傑作ですが、個人的な意見としてはアニメも抑えていた方がいいかもしれない。ラストの大まかな流れは同じですけど、互いが補完してる部分もある(ような気がする)。
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特にOPとEDがキモの部分があります。特にED曲!
久米田先生ってアニメのOPやEDからポロロッカしてる部分がある説。
可久士と姫ちゃんが再会する物語
改めて見返すとアニメOPの演出は素晴らしいの一言である。
可久士と姫ちゃんは並んで立ってるように見えて違う場所にいる。具体的に、可久士は中目黒区の家に立っており、18歳の姫ちゃんは鎌倉の倉庫(家)に立っている。足元の草、赤と青の屋根の違う家、空の色も違っている。
この演出が示す通り、記憶喪失の可久士は8年前に囚われており、18歳の姫ちゃんを見ても誰やねん状態で今でも姫ちゃんは10歳であると思いこんでいました。今の姫ちゃんを認識して再会できるかってのがアニメでも原作でもキモ部分。
そこへ至る「まで」と「その後」が涙腺崩壊しまくりだからたまらんわい。
12巻収録サブタイ
- 第5号、1・2のあーしろ
- 第6号、撤回師
- 第7号、当家の干渉
- 第8号、沈黙の反対
- 姫ちゃん18歳編1~4
「1・2のあーしろ」は「1・2の三四郎」、「撤回師」は「結界師」、「沈黙の反対」は「沈黙の艦隊」かな。「当家の干渉」がちょっと分からん。
8号までで、漫画内で連載してる「○号」は終了です。それ以降は「姫ちゃん18歳編」と題したシリーズが1~4まであり、ラストに向かって絶妙な構成となっております。
※追記
漫画家マンガとして
12巻の漫画家マンガネタはアニメ化について。「風のタイツ」がアニメ化するにあたって久米田先生…じゃなくて後藤可久士先生は原作者としての矜持を示すのでした。
1・2のあーしろ
・原作者がアレコレ口出しし過ぎるとロクな事にならない!
・漫画家が現場に介入すればするほどアニメはクソ化する
・いちいち原作者の希望聞いてたら現場が疲弊するわ!
・だいたい真面目に週刊連載してたらアニメにそこまで構ってるヒマはない
『絶望先生』の頃から餅は餅屋に任せるとコメントしており、アニメに一切口出ししない事に定評のある久米田先生の実体験がこもった(?)話である。
実際、干渉せずにプロに任せたからこそ「絶望先生」「かくしごと」は傑作アニメだったといえるかもしれません。アニメ化するに至ってのてんやわんやがキレキレのギャグでした。
久米田先生はやめへんで!
『かくしごと』は自身の実体験を元にした漫画家マンガ。
『スタジオパルプ』は過去作品のオールスター。
ファンでなくても加藤茶のエンディングノートの如し、久米田先生は漫画家生活のラスト…「集大成」なのではないかと思うものじゃん。てか、『スタジオパルプ』はガチのマジであれでお終いなのかよ!
で、『かくしごと』『スタジオパルプ』がどう見ても集大成感出してるのは勘違いであると「描く仕事の本当のところを書く仕事」で以下のように述べておりました。
何か「引退しろ圧力」が凄いの。本人引退するなんて一言も言ってないのに「集大成」だとか褒め殺して、漫画家人生まとめに入ってるかのように言う。
くめちゃんはやめへんでー!
7度目の再デビューを目指して頑張ると宣言しておりました。ここまで6作品を畳んできた実績があるからこそ7度目の連載へって感じでしょうか。…って、七度目の再デビュー?
1度目の引退 | 行け!!南国アイスホッケー部 |
2度目の引退 | ルートパラダイス |
3度目の引退 | 太陽の戦士ポカポカ |
4度目の引退 | 育ってダーリン |
5度目の引退 | かってに改蔵 |
6度目の引退 | さよなら絶望先生 |
7度目の引退 | せっかち伯爵と時間どろぼう |
8度目の引退 | スタジオパルプ |
9度目の引退 | かくしごと |
うーん?次は10度目のデビューのような気がする。
もっと言えば原作担当した『じょしらく』『なんくる姉さん』もある。
まあ、『ルートパラダイス』『太陽の戦士ポカポカ』は連載並行してた作品なのでカウントしてないかもしれんが…。いやでもそうすっと『スタジオパルプ』もカウントしないような。
久米田先生の中で何作品かが無かった事になってる説!
初めて赤松健先生を追求!?
また、久米田先生と赤松健先生といえばアムロとシャアのような宿命めいた関係じゃないですか?(なぜか疑問形)。『かってに改蔵』で『ラブひな』『ネギま!』をネタにして赤松先生が「く、久米田のやろう~」とするのが様式美。
ただ、作中でネタにするものの、赤松健先生本人に対しては追求したことがなかった(はず)。
そんな久米田先生が赤松健先生に対する追求をしてたのは歴史的な出来事なのかもしれない。
「描く仕事の本当のところを書く仕事」ではファンであると述べておりました。「作品」の終わりと「作家人生」もここで終わって欲しい願望として…。
(作家人生について)赤松先生の大ファンである僕は『ラブひな』で終わって欲しかったなって願望があった。これは好き過ぎるファン心理なのかな?
久米田先生が赤松健先生を公に「ファン」と認めたのであった。
もっと言えば、最近の赤松健先生の活躍をウォッチしてるかのようなネタもある。
未来の赤松議員に期待するとして
描いた原稿について邪魔になってる漫画家が多いそうで補完場所に困ってるそうな。いわく「国もクールジャパンとか言うのなら倉庫でも用意してくれたらいいのにと思う」と。ただ、安心してください!漫画家として政治活動にも活発な未来の赤松議員が漫画家が扱いに困ってる原稿問題を解決してくれるはずだと予言。
赤松健大先生の「ファン」で「未来の議員」とディープに追求してて胸が熱くなったんだ…。
(続くぞい)
コメント
当家の干渉は王家の紋章かなぁ
アニメは一話ラストの「一番の幸せは姫が大きく育つこと」を伏線として回収してたし、原作は一話ラストの「無色ってことはいろんな色、いっぱい塗れるね」を回収してたの、さすがの畳み職人
王家の紋章です
王家の紋章ってマンガ自体は知らなかったけど当家の干渉から予想・逆算して考えて多分そうだろうと思ったらそうだった
単行本の姫ちゃん18歳編(カラー)が現代、10歳編(白黒)を過去とすると、
「思い出はモノクローム」の意味が出てきますね。
ただ、一番充実していた時期だとしても、所詮は過去の思い出。
「色をつけてくれ」で今を一緒に生きてくれという意味ととらえました。
人間の目は、青を感じる細胞が最も少なく、青色は感じづらいそうです。(姫ちゃんのセーラー服が紺ではなく灰色なのは関係有るだろうか)
戒潟先生も、色覚の衰えた娘の為に青を強調した絵を描いていたと考えると、後藤先生と仲良く出来なかった事が、本当に残念でなりません。
それとは全く関係無く、読者の立場からだと、カラーページは有り難くありません。単行本になった時に、色が無意味になるどころか、絵が汚くなり読みづらくなるからです。
電子書籍だったら色付きに出来るだろうと思うのですが、紙の本と同じ仕様にしなければならない規制や配慮が有るのでしょうかね。
そして未だ描かれていない未来。姫ちゃんが漫画の道に進み、二代目後藤可久士となるのだろうな。
久米田愛にあふれた良記事!
『かくしごと』を振り返りながら感慨深く読まさせていただきました。
全体的に見にくく読みにくい。
下方向に長くて、話し言葉の長文。
「合わせて読みたい」が間にねじ込まれる。
「おすすめ」が画面の上・右・下に大量配置。
引用画像は良いと思う。