「楽園 Le Paradis」第28号読了。
なんだろう…。全体的に「幼なじみ」を題材にしたネタがシンクロしていました。
なるほど!流石は恋愛最先端を謳う楽園だ。昨今の幼なじみをカマセ犬の当て馬にする風潮に「待った!」をかけ、今こそ幼なじみの素晴らしさを説くってわけか。流石である。
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「楽園Le Paradis」28号感想
『スタジオパルプ』(久米田康治)
act11
…え。えぇー!?
前回、普通に就職して普通に結婚して普通に家建てて普通に子供作ることがハードル高いってネタで見事にやり遂げた改蔵(高橋)。改蔵の最終回を踏襲し、幼なじみの羽美ちゃんと結婚して娘ができて「めでたしめでたし」って終わり方だったんですよ。
とはいえ、これギャグ漫画だよね?1話完結だよね?何度も死んでる地丹がシレっと蘇る世界観だよね?あの…結婚して子供が生まれた話が続いてるんですが…。なにこれ。まさかこのまま3人家族で突っ走るのだろうか。
今回は先トム・クルーズや香港映画のように、先に撮りたいアクション撮って、あとから台本起こすって逆から作るネタ。何もない映画を観客に見せてから作る…という笑えるギャグでした。が、改蔵&羽美ちゃんの家族が続いてて気になって気になって仕方がありませんでした。
でも、このまま結婚して家庭を持った設定が続くならそれはそれで。むしろ楽しみだよ。まだ娘の名前は出てないけど、母を彷彿させる「狂気」がヒシヒシと伝わってきます。でも、幼なじみと結婚して普通の家庭を築くとか胸が熱くなるね。
あ、ちなみに主人公(だった)役者丸ひろ子さんは本編の出番ゼロになりました。扉絵にはいたけど、完全に『かってに改蔵2』だよもう!ついに主人公が消えました。
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『14歳の恋』(水谷フーカ)
「楽園」第28号、発売開始致しました。本日はこちらのカットから。水谷フーカ『14歳の恋』第40話より。彼方と和樹が一緒に過ごせるのはあと3か月余り…。一日一日が、一瞬一瞬が全て切ない年の瀬です。コミックス第9巻は12月21日発売&配信開始。 pic.twitter.com/eLKq8Po2Wc
— 楽園編集部 (@rakuen_info) 2018年11月8日
『14歳の恋』って大人っぽい2人の甘酸っぱい青春ラブコメでしたが、彼方と和樹が「幼なじみ」であったと判明し自分の中で価値が爆上げとなりました。いやぁ~幼なじみカップルはいいねぇ。リリンが生み出した文化の極みだよ。
そして現在、物語は最終局面(と思う)。離れ離れになってしまう幼なじみ。確かに辛い。切ない。ちょっと泣きそうになってしまいます。しかし!しかしである!この悲しい別れはきっと、「幼なじみの運命力」で全て解決できるのです。
例え親の都合で離れてしまったとしても必ず戻って来る!再開する!それは自然の摂理なのだ。「結婚の約束」を守るために!感動!って、この2人が結婚の約束してるか知りませんけどね。果たしてどーなってしまうのか。ラストは近い!
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『初恋ディストピア』(シギサワカヤ)
第1話「少なくとも理論上俺はただ健全なだけ」
シギサワカヤ先生の新連載。
次回予告カットでは雌豹というか小悪魔的な女性に振り回される男って印象でしたが、1話を読んだ感じまったく違いました(振り回されるは振り回されるが)。普通にこそばゆい幼なじみならでは「甘さ」が全開でした。
小6のおみくんから見て妹みたいな幼なじみ・小春(でも2つ上の中2)との微笑ましく可愛いらしい幼なじみならではの「男女」がありました。これから年上なのに子供っぽい小春との甘酸っぱかったり、ほろ苦かったりする青春生活を送れると思うと期待に胸が膨らみます。
ただし!悲しいけど作者はシギサワカヤ先生なのよねぇ…(いい意味で)。このまま互いに成長していき、腐れ縁だけど実は好きあってて、ムズ痒くも甘ったるく小っ恥ずかしいスイーツな「男女」になるとは思えんでござる。読者の胃をキリキリさせることに定評あるからな。
確実にドS作家の本性を見せて、みおくんと小春と読者を千尋の谷に突き落とし、そこから這い上がってきた者だけに真の感動を与えるのがシギサワカヤ先生のやり口なんだから。甘い幼なじみものだと思って油断するな(戒め)。
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『イマジナー』(幾花にいろ)
#3
田舎で育った「幼なじみ」。女の子が大学進学で東京に出て、田舎に残る男と都会に出るヒロインでした。2話まで、ヒロインの子は都会で男でも作ってるんじゃないかと気が気じゃなかったけど、3話で勝利を確信しました。約束された!結ばれる幼なじみ!だよ。
なかなかの乙女反応でバッチリ私の心の琴線に触れてきますわ。ドキドキのお泊りの前段階で、友人がたむろしてる私物を片付けさせるって内容でした。それでいて女友達のキャラ付けが凝りまくっております。
また「生活感」がすっげー細かく描写されて女子大生っぽさが全開でした。生々しいというか設定厨というか、良い意味で拘りの「回り道」。幾花にいろ先生ってアレですね。手法がまるで違うけどあだち充先生みたいですね。その心は?徹底的な無駄を趣とするである。
あだち充先生が背景とかで雰囲気をこれでもかと入れまくって、お世辞にもテンポ良いと言えない味のある「ゆっくり&まったり」進捗で味を出すように。幾花にいろ先生は逆に詳細な設定をこれでもかと入れまくって雰囲気出し「ゆっくり&まったり」を演出する。
そのシーンいるの?と聞かれればどっちもいらんが、それがあることで奥行きを出すという。東京から大手町、もしくは船橋から西船橋を普通なら電車で移動するところをあえて歩くみたいな。あだち充先生がグルっと遠回りして歩くなら、幾花にいろ先生は最短距離だけど寄り道しまくって歩くというか(なんだこの例え?)。
「film」(ハルミチヒロ)
読み切り「film」
なんだこれ…?
腐れ縁といえば幼なじみの甘さの醍醐味でしょう。一緒にいるのが当たり前から腐れ縁となり友達以上恋人未満の関係からのニヤリング展開こそが「幼なじみ」のキモです。そこから結ばれる「幼なじみ」という男女の甘味と旨味は尊い。
しかし、「結ばれず」で離れない幼なじみの間柄だったら…?それがこの「film」なり。コーヒー牛乳みたいな優しい味わの「幼なじみ」も、それはそれでとても美味しいのですが、ちょっぴり大人味のほろにがビタースイートな「幼なじみ」もコクがありますねぇ。
モノローグも好きになんねー!とかときまかねー!と言いつつ、まんざらでもないのも意味深すぎるんですよ。
切っても切れない関係で、付き合うこともない「幼なじみ」の男女。それでも「これはひょっとして…?」と読者に思わせるぐらいのスキもあった。甘味と苦味のバランスが絶妙なコクのある味わいとなってます。
これぞ「幼なじみ」っていう、身内のような気さくさ&男女を意識した気まずさが同居する微妙な空気感が半端無かった。てか、これでお終いなの?まだあるだろー!続き読ませろよ!って心から思うぐらい甘く苦い幼なじみものでした。
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