『かくしごと』(久米田康治)11巻読了。
12巻完結なのでラスト1巻に向けての布石って感じでしたね。アニメ化決まってるのに終わってしまうのはちょっと残念ですけど、着々と終わりに向かっています。
担当編集・十丸院の怪しげな素行に、反社会組織との関りを疑う後藤先生とスタッフたち。連載打ち切り回避のために、十丸院の後をつけるが‥‥!? 危険度MAX、ドタバタ続きの第11巻! そして後藤先生の「隠し事」を追う姫ちゃんを描いた、本編8年後の「姫ちゃん高校生編」は、今回もフルカラー8P描き下ろし! 記憶喪失の後藤先生は元に戻る事が出来るのか‥‥!?
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『かくしごと』11巻
11巻のサブタイトル
11巻収録のサブタイは以下の通りです。
43号「激烈美化」、44号「修正の大義」、45号「禁句ダメ」、46号「さよなら十丸院」、47号「帰ってきた十丸院」、48号「スルーステップ」、49号「後藤分な花寄せ」、50号「ママママと言わずな」、51号「花の啓示」、52号「NO、しませんから」、1号「ご忠告はうざすぎですか?」、2号「無縁の住人」、3号・4号「そんな未来は鬱である」
正直半分くらいしか分からん…。
7年後の未来へ向けて
「帰ってきた十丸院」
アイドルを目指してた千田奈留ちゃんがルポライターに俺はなる!と夢を変更させていました。姫ちゃんの写真を見て天性の人を惹きつける「何か」が自分にはないと思った様子です。
7年後では、千田奈留が書いた記事のせいで後藤可久士は筆を折ってしまった原因になったことを考えると、「帰ってきた十丸院」は大きなターニングポイントですわ。
もしも姫ちゃんの写真を見なければ…いや十丸院が後藤家をグラビア撮影で使わなければ…7年後の悲劇は起きなかったのにね。「どう考えても悪魔」である。全部十丸院が悪い!でいいかな?いいとも!
漫画家マンガのリアル
11巻も漫画家マンガとしてめがっさ面白い。
グラビア担当を兼任する編集者はチャラくなるとか、相変わらず久米田先生の実体験による漫画家ネタが満載です。その中でも一番ツボだったのは「とりあえず校舎」問題です。
「スルーステップ」
描く背景が用意できない時、漫画家がアシに「とりあえず校舎とか」と支持し、原稿を先行して背景を描いてもらうも使われることがないというケースが多々あるそうな。
いわく、有名漫画家の仕事場には使われないまま眠ってる背景ストックがたんまり。
とりあえずでアシさんに指定するのは「校舎」が多いと言われています。
久米田先生自身も「描く仕事の本当のところを書く仕事」で実体験で、描いてもらって使っていない背景がわんさかあることをおっしゃっていました。
「とりあえず校舎とか」
・アシに振る仕事がない
・先行して原稿を振る
・「とりあえず校舎とか描いておいて」
「なるほど…」「そういう事か…」「読めたぜ…完全に!!」
これを踏まえると5巻「空く間ゲーム」でネタになっていた「あだち密度」の謎も「「とりあえず校舎」問題なのではないかと思ったり思わなかったり(※個人の意見です)。
「空く間ゲーム」
「あだち密度」とは、あだち充(人)先生作品で顕著な独特な「間」である。どういう意図が分からんけど、多様される背景描写です。
空や校舎のカットが頻繁に挟まりまくってページ数を稼いで物語の濃度をカルピスのごとく薄くさせる「間」を演出させるのである。
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漫画家は原稿ができてなくてアシさんに先行して校舎のカットをとりあえず描いて貰う場合が多い…。結局使われることなくストックがたまる。この理論でいけば、あだち充先生は先行して描いてもらったカットをあえて作品に強引に入れてる説が出てくるな。
MIX16巻
もしも、「とりあえず校舎とか」とアシさんに先行して描いてもらう事が多いなら、あだち充先生は使われることなく無駄にならないために「あだち密度」を完成させたのかもしれんな。いや知らんけど。
熱いDISり
「そんな未来は鬱である」
クソつまんねー漫画の単行本を一人で100冊買う狂信者もいるしな!
『かってに改蔵』『さよなら絶望先生』に比べると『かくしごと』は毒がほとんど無かったんですけど、久々に久米田節が炸裂していました。
「クソつまんねー漫画」が何を指しているのかは、まったく分かりませんけどね。
『かくしごと』『スタジオパルプ』も終わる
まあ『パルプ』も『かくしごと』も終わるんでそろそろ次の作品で「やらない事」を決めないといけません。まずシモネタはやりません。タイムスリップはしません。動物はしゃべりません。残酷な表現はしません。いや待って下さい。次の作品で「やらない事」を決めても、次の作品をやれるのでしょうか?
(「描く仕事の本当のところを書く仕事(45)」より)
『かくしごと』が12巻完結なのは前からアナウンスしてましたけど、『スタジオパルプ』も終わるのかよ!いや確かに、この前の楽園32号で最終回の可能性があることをネタにしてはいました。だけど、マジのガチで終わるのかい!
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『かくしごと』『スタジオパルプ』はもうすぐ終わる!
最終12巻への期待度MAX
羅砂ちゃんは勘弁してよ。今やウチの看板作家じゃない
未来編で、記憶喪失の後藤可久士のもとにかつてのアシスタントが集大成している中で、墨田羅砂がマンガジンの看板作家になってることが判明しました。漫画家をまったく目指してなかったのに意外すぎる。
当の後藤可久士は7年前とまったく同じ原稿を描き続けています。
最終巻を見せても自分の描いたものと信じません。いわく「印刷物じゃ説得力ない」。
そして立ち上がる姫ちゃんは…?
最終回に向けての布石十分ですね。
久米田先生もあえてハードルを上げてる節が伺えます。
『かくしごと』12巻をトイレに流せる紙にするのです。真似されると困るので、これ他には内緒ですよ。
ただ水に溶ける紙なので100人に一人…いや1000人に一人くらいは涙で溶かして貰えるといいなぁ。
最終回にグッとくる感動エピソードに定評のある久米田先生が、読者に涙を流して貰えるといいなと。はっきり言って、普通に記憶が戻って「めでたしめでたし」になるってのが大半の読者が予想するところでしょうけど、ドンデン返しすらありそうなフリですね。
『かくしごと』はあと1巻で終わる!
期待して最後まで完走したいところです。おす。
『かってに改蔵』が無料で読めます
ちなみにサンデー公式アプリ「サンデーうぇぶり」なら久米田康治先生の『かってに改蔵』『シブアニアファミリー』が基本無料で読めます。
【無料で読める作品】
・湯神くんには友達がいない
・だがしかし
・初恋ゾンビ
・H2
・名探偵コナン
・神のみぞ知るセカイ
・史上最強の弟子ケンイチ
・MAJOR
他に多数の新旧のサンデー名作が無料で読むことができます。
無料ですので通学や通勤のお供に是非アプリを入れてみてください。
コメント
4月からアニメ始まるのに終わるのは残念。
YouTubeの動画で久米田先生と神谷さんが対談してたけど、新房監督がいたら数年越しの委員長会議でしたね。
単行本を買ってない人に向けて、どういう構成のエンディングにするか気になる。
「激烈美化」 → 激烈バカ
「修正の大義」 → 創世のタイガ
「禁句ダメ」 → キングダム
「さよなら十丸院」 → さよなら絶望先生(?)
「帰ってきた十丸院」 → 帰ってきたカラスヤサトシ(?)
「スルーステップ」 → スローステップ
「後藤分な花寄せ」 → 五等分の花嫁
「ママママと言わずな」 → 甘々と稲妻
「花の啓示」 → 花の慶次
「NO、しませんから」 → もう、しませんから
「ご忠告はうざすぎですか?」 → ご注文はうさぎですか?
「無縁の住人」 → 無限の住人
「そんな未来は鬱である」 → そんな未来はウソである
そこまでわかって何故超弩級メジャーのドラえもんがわからんねん・・・
「さよなら十丸院」 → さよならドラえもん
「帰ってきた十丸院」→ 帰ってきたドラえもん かな?
やらない事を最初に決めるならまず決めるのはこれでしょう。
「やらない」